先日、Mac OS Sequoia 15.4 Betaがリリースされ、ついにApple Intelligenceが日本語にも対応しました。長年のAppleユーザーとして、この発表には大いに期待していました。まるでChatGPTの到来を思わせるような、革新的な機能が使えるのではないかと胸を躍らせました。

しかし、実際に試してみると、その期待はやや肩透かしを食らうこととなりました。

Apple Intelligenceの強みと期待

Appleが提供するAI技術は、プライバシーを重視しながらも、シームレスにユーザー体験を向上させることを目的としています。特に、Siriの進化や文章生成機能、画像編集の補助など、日常の作業をよりスムーズにしてくれる機能には大きな可能性を感じていました。

また、Apple製品のエコシステムの強みを活かし、Mac、iPad、iPhone間でスムーズにAIが連携することも魅力的でした。たとえば、メモアプリで文章を要約したり、メールアプリで返信の提案を受けたりすることで、生産性が大きく向上することを期待していました。

実際に試してみた感想

しかし、現在のApple Intelligenceの実装を見ると、機能の多くがApple純正アプリに限定されていることが分かりました。たとえば、

  • Siriの強化 … 日本語対応になったものの、依然として限定的な応答しかできない。

  • 文章生成・要約機能 … メモやメールでは使えるが、他のアプリでは利用不可。

  • 画像編集のAI補助 … 写真アプリでの簡単な補正にとどまり、PhotoshopやAffinity Photoのような高度な編集には不向き。

  • コーディング補助 … Xcodeには対応するものの、他の開発環境ではほぼ利用不可。

このように、Appleのアプリに閉じた環境でしかAIの恩恵を受けられないため、日頃からサードパーティ製のツールを多用するユーザーにとっては、実用性がかなり制限されています。

ChatGPTとの差異と今後の期待

対照的に、ChatGPTはプラットフォームを問わずに利用でき、さまざまなアプリやツールとの連携が可能です。そのため、業務効率化やクリエイティブな作業において、より自由度の高いサポートを受けられます。

Apple Intelligenceが真に革新的な技術となるためには、サードパーティ製アプリにも対応し、より汎用的な使い方ができるようになることが求められます。また、日本語対応もまだまだ改善の余地があり、特に自然な文章生成や高度な質問応答の精度向上が望まれます。

現状では、「Appleのエコシステム内に閉じた便利なAI」といった印象にとどまっていますが、今後のアップデートでどのように進化するのか、引き続き注目していきたいと思います。