今まで30点か40点しか取れなかった子が、塾に通ってから70点を取って帰って来た。
親御さんとしては、とても嬉しいことですね。
「そこの塾に通わせて良かった」と、その塾に感謝の気持ちでいっぱいになることでしょう。
でも、その次のテストでその子が60点を取ってきたらどうでしょう?
もともと30点、40点しか取れなかったことを考えれば、悲観するような点数ではありません。
というか、むしろ喜ばしい点数です。
ただ、前回の70点と比べてしまうと、10点落ちたことになってしまいます。
親御さんとしては、ちょっと不満が残ります。
以前はあれほど感謝していた塾にも、文句のひとつも言いたくなるかもしれません。
「前回30点が70点になったんだから、今度は80点取れるはずだ!」
という根拠のない期待が、不満を募らせる結果になるのではないでしょうか。
これは親御さんの心の中で「その子の基準」が変わってしまったからです。
それまでは30点か40点が、「その子の基準」でした。
でも、たった1回70点を取ったがために、その70点が「その子の基準」になってしまった。
まあ、そんなところでしょうか。
勉強も仕事も、いくら頑張ったからといって常に「右肩上がり」というわけにはいきません。
たいていは上がったり下がったりを繰り返しながら、「1年前に比べれば、少しはマシになったかな?」といった感じだと思います。
子供が持ってきたテストの点数にイライラを感じたとき。
それは、「その子の基準」を自分の中で勝手に上げているときだと思います。
そんなときは一度「半年前のその子の基準」、「1年前のその子の基準」に戻して、我が子の成長を考えてみてはいかがでしょうか?
どんな子でも、半年前、1年前に比べれば、はるかに成長していることに気づくはずです。
それに気づけないとすれば、成長していないのは子供ではなく、むしろ自分のほうなのかもしれません。
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