はじめての出産体験記 | 文章をあれするための、あれ。

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最後のブログ更新から2年経ち、

私は結婚し妊娠していた。


7月のある日、39週の健診に行くと「まだ産まれそうな感じは無いですね」と先生に言われる。


32週くらいから切迫早産と診断され、自宅安静や入院でほとんど横になって生活していたのに、産まれても良い時期になると案外産まれないものである。


とは言え産前最後の自由に動ける時期、夫婦2人での外食を大いに楽しもうと週末に焼肉を食べに行く約束を夫とした。


が、焼肉へは行くことなくこの健診の翌日、子どもは産まれてきた。



(以下、痛みや少し生々しい表現出てくるので苦手な方ご注意ください)




健診当日の夕方から夜にかけて、おしるしや前駆陣痛があったものの、そこから出産までは2〜3日から1週間かかるのが定説ということで何も疑わずに就寝。


夜中1時頃に腹痛と腰痛で目覚める。ソファで耐えるも3時頃には10分間隔で痛むようになったので産院へ電話。5分間隔になったら来るように言われ再び耐える。


この電話で夫が目覚め、「腰さすろうか?」と言ってくれた。正直まだ1人で耐えられるレベルだったが、陣痛の辛さを少しでも感じてもらうためさすってもらうことにした。


そんな余裕は束の間で、どんどん痛みは増していき、さすってもらうことでかなりマシになった。

5時半過ぎ、陣痛が5分間隔になったので病院へ向かうことに。


病院への車中では、あまり実感が湧かないものの「いよいよなのか〜」と思ったり、「今日無痛分娩出来ない日やん…」と思ったり、痛みに耐えたりしていた。


無痛分娩について、私の産院では土日祝・夜間と麻酔科医がいない曜日は出来ないと説明を受けており、それもありきで運だなと思って一応希望していた。お産は夜中が多いと聞くし、多分無理だろうなと思ってはいたものの、まさか平日の朝からの出産なのに麻酔科医のいない曜日に当たってしまうとは!

(補足として言うと、ここの産院の無痛分娩は10割の痛みを3割までに抑えるものであり、完全に無痛ではない)


病院へ着くと、夫は駐車場待機。お産が進んでいないと入院にならず帰宅になる可能性もあるそう。ドキドキしながら内診を受けると10段階のうち6割くらいまで進んでおり入院に!思っていたより進んでいてラッキー!

夫に電話して入院になる旨を伝え、「頑張ってください」「はーい」と言葉を交わして夫は仕事へ私は陣痛室へ。

荷物を置いて分娩着に着替えトイレを済ませてベッドへ横たわる。助産師さんからは「食べれるうちに食べとき」と言われるものの、あまり食欲はない。一応あらかじめ用意しておいた飲食料(ウィダー、カロリーメイト、こんにゃくゼリー)と昨日健診帰りに買っていたミスドの新作をテーブルに置いておいてもらい、助産師さんは去り1人で陣痛を耐える。


9時に先生の内診があり、7-8割まで進んできており「スムーズにいけばお昼には産まれるよ」と言われる。


この頃までは、YouTubeで予習していた「はんなりママ」の陣痛乗り越えポーズで耐えられる程度の5分間隔の痛み。声も出ないので、助産師さんに後から聞いた話では「そんなに痛がってないからあまりお産が進んでないのでは」と心配されていたらしい。


ところがどっこい、10時半くらいからは「ゥゥゥ、、、」と声が漏れるほどの痛みに。

はんなりママのポーズが出来ない程痛く、なんとかベッドの柵を掴んで必死に深呼吸。


この頃から「何故今日無痛分娩できない日なのか、そもそも何故日本では無痛分娩がデフォルトでないのか、こんな痛みに耐える理由はなんなのか」とひたすら無痛分娩が出来ないことに怒りが湧いてきた。


そして11時頃からは「いきみたい欲」が出て来てこれが今もトラウマになっているほど辛かった。


汚い話になってしまうが、お尻から巨大で硬い便秘便が出よう出ようとしてきている感覚があり、思わず踏ん張ってしまうのだ。

しかし踏ん張る=息が止まるので、そうすると赤ちゃんに酸素が届かなくなってしまう。いきむのを我慢して必死で深呼吸をしなければならず、しかもそれと同時に腰の骨を削がれているかのような腰痛・太ももの前面がひどい筋肉痛のような痛みがして叫ばずにいられない。


陣痛が来るたび、「イヤァァアアアア ウウアアアアアア」みたいな叫びが止まらず、もし部屋の外に妊婦さんがいたら絶対びびってたと思う。

午前中仕事に行っていた夫も立ち会いのため到着。叫ぶ私をみてビビったと思う。足や腰をさすってもらう。


この痛みが13時頃まで続き、途中助産師さんに「いつまで我慢すればいいですか…辛いです…」と泣きついたりもした。


13時過ぎ、いよいよ産んでOKとなり分娩室へ移動!

助産師さんが複数人きてベッドごと運んでくれ、点滴を刺したり足に色々つけたりテキパキと用意してくれる。その間にも陣痛がきて苦しむのだが、ここでお尻を押さえてくれた助産師さんの手が的確、まさにゴッドハンドで痛みがかなりマシになった。助産師さんってスゲェエエエエエエとその時だけは意識がはっきりした。


さぁ準備が整い、ついにいきんでOK!となったのでこれまたYouTubeで予習していたサンシャイン池崎法でいきむ!するとお股に圧迫感が…


助産師さんが焦った様子で夫に「ちょっと後ろのナースコール押してくれる?」と指示。

準備で来ていた複数の助産師さんは既にはけており、担当の助産師さんと夫と私の3人だったのだが、お産の進みが早かったようでバタバタと他の助産師さんたちが戻ってきて、先生も来てくれ、そのあと4.5回いきむと、ドゥゥルンンンンッという感覚と共に子ども誕生!

分娩室に来てから30分足らず。


呆然としている私の胸にカンガルーケアのため赤ちゃんが置かれて抱っこすると、生暖かさや動いている感触がわかり、感動。

やっと会えたね的な涙の感動とかでは無く、「この生命体がお腹の中にホンマにおったんか!!お股から出てきたんか!!生命ってすげー!!」という感動で、産まれた後の私の第一声は「すごーーい」だった。


ちなみにこの間に胎盤を出してもらうのだが、それもドュリュリュンッと出てきて面白かった。飲むタイプの蒟蒻ゼリーを押して出すときのような感覚。


陣痛は辛かったが出産自体はそんなに痛くなく、むしろ快感で、終わった後は解放感と達成感があった。股も裂けたが全くわからなかった。


サンシャイン法のいきみはかなり助産師さん達に褒められたし、腹式呼吸もうまく出来たので妊娠中に練習しておいて良かった。



無痛分娩は出来なかったけど、10数万浮いたし、終わってみればあれを緩和するのに10数万の価値は無いかな?と思い結果的には良かったかなと思う。

でももしまた出産の機会があるなら、絶対無痛分娩!!!と出産直後は思っていたが、少し経った今は無痛で無くてもいいかも…と陣痛の辛さを早速忘れかけていってしまっている模様。

 

まぁそんなすぐに次回は来ないので、今は子どもを可愛がろうと思う。



後日談だが、立ち会いをした夫は無痛分娩が出来ると思っており、分娩室でも痛がる私を見て、「いつ無痛になるのだろう?それとももう既に無痛なのか?それでもこんなに痛そうってことは出産ってやっぱり大変なのだなぁ」と思っていたらしい。


私は当日早朝には自然分娩に挑む気持ちを作っていたのに、夫は産まれるまで無痛かと思っていたと思うとズッコケる。




参考


はんなりママ 陣痛逃しポーズ 5:25 頃から



サンシャイン池崎法 いきみ方 5:26頃から

実際は「イェーイ」の時は息をとめて踏ん張ります