今年も言います。「9条に自衛隊明記は不要」 | santos008jpのブログ

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 昨年も、憲法記念日に言った事を繰り返します。しかし、その前に・・・、共同の世論調査です。

 

【改憲論議急ぐ必要ない65% 共同通信憲法世論調査】


 共同通信社は1日、憲法記念日の5月3日を前に憲法に関する郵送方式の世論調査結果をまとめた。岸田文雄首相が9月までの自民党総裁任期中に意欲を示す憲法改正の国会議論に関し「急ぐ必要がある」は33%にとどまり、「急ぐ必要はない」の65%と差が開いた。改憲の進め方は「慎重な政党も含めた幅広い合意形成を優先するべきだ」が72%で、「前向きな政党で条文案の作成に入るべきだ」の24%を上回った。9条改正の必要性は「ある」51%、「ない」46%と賛否が拮抗した。

 改憲に前向きな自民と日本維新の会を支持する層でも「急ぐ必要がある」との回答はいずれも46%と半数に届かなかった。首相は総裁任期をにらみ議論の加速化を訴えるものの、世論はスピード感よりも幅広い合意形成に力点を置いている実態が明らかになった。

 国民の間で改憲の機運は「高まっている」との回答は「どちらかといえば」と合わせて計31%で、「高まっていない」は「どちらかといえば」を含め計67%だった。

 

・・・・以上引用

 

 「急ぐ必要は無いが、9条の改定には悩む」これが世論のようだ。例えば・・・、最近話題になっている「共同親権」の話のように、深く考えると・・・1人親で子育てを頑張っている人に多大な不安と不利な状況を生じる恐れがある事が解ってきた。「共同親権」と同じように「自衛隊の明記」にも、「大した事にはならない」と言う油断を生じさせる余地がある。本当に熟慮が必要だ。その上で、自分の主張を昨年と同じようにしておきたい。

 

・・・・

 

終戦記念日や憲法記念日など、節目ふしめで憲法や平和について述べてきた。今年も繰り返しになるが記しておきたい。

  先ず、憲法とは「国の進む方向」や、ましてや正体不明の「国柄」などと言うものを表明する法律では無い。憲法とは、端的に言えば、「国がやらなければ行けない事と、逆に、やっては行けないことを示した、国家の行動規範」であるということだ。そして、国の定める法律や国家の行動は、この憲法に反しては行けないと云うこと示している。別の言い方をすれば、国民の自由を守るために、国家を縛る規範が憲法であると云うことだ。

  但し、国家は、時に国民の生命や財産・自由を守るために、一定の実力を行使することもある。一方、その実力の行使は、この憲法の認める範囲内に限られる。

  国家に対する国民の要請は以下の条文にある。
【日本国憲法】
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

  上記の様な国民の要請に応えるために、時に国家が一定の実力を行使することはあるが、以下の条文によって強力な制限も受ける。

【日本国憲法】

第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
第三十四条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
② 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
② 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
③ 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
② 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
③ 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
第三十九条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
第四十条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

  これらの条文の範囲内で国家は、警察権・検察権・裁判権等により公共の秩序の維持を図り・・・、更に裁判所は、民事的係争への介入も行う。

  一方、この条文に含まれない実力組織が現に存在するのも確かである。それが自衛隊である。自衛隊も憲法13条の要請によって出来た組織である。そして、警察や検察・裁判所と同様に憲法は、この最強の実力組織から国民を保護する役割も担う。その自衛隊への最強の「足枷」が憲法第9条である。何せ、この最強の実力部隊に対して「その実力を戦力として使うな!国際紛争の解決手段として使うな!」と言うのだからこれ以上の「足枷」はないと言って良いであろう。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

   今、「改憲勢力」はこの9条に自衛隊の存在を明記しろと言う。全くもって、余計な事だ!憲法には、「国家は武装した警察力を持つことが出来る」などと言う条文は無い。それよりも憲法は、警察や検察・裁判所の実力行使に制限を加える為の多くの条文を持っている。自衛隊に対する憲法のスタンスもこれに倣うべきである。そして、自衛隊は、常に自身の上にある憲法の範囲内でしか存在出来ないことを認識しなければならない。自衛隊の存在や行動が憲法に反していないか?常に監視される立場にあると云うことは、警察や検察などの行政機関と何ら変わることが無いのは当然でのことである。

 

・・・・以上

 

 最後に、今年はこれを加えておきたい。これは、自衛隊自身が主張する交戦権の定義だ。

 

 憲法第9条第2項では、「国の交戦権は、これを認めない。」と規定しているが、ここでいう交戦権とは、戦いを交える権利という意味ではなく、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称であって、相手国兵力の殺傷と破壊、相手国の領土の占領などの権能を含むものである。
 一方、自衛権の行使にあたっては、わが国を防衛するための必要最小限度の実力を行使することは当然のこととして認められており、たとえば、わが国が自衛権の行使として相手国兵力の殺傷と破壊を行う場合、外見上は同じ殺傷と破壊であっても、それは交戦権の行使とは別の観念のものである。ただし、相手国の領土の占領などは、自衛のための必要最小限度を超えるものと考えられるので、認められない。(防衛省情報検索サービスより)

 

・・・・以上引用

 

 厳格な上位法に縛られる自衛隊・・・、実態はどうか?これは別に議論が必要な事だが、あるべき姿はここにある。