久坂玄瑞筆七卿落今様歌 | 萩往還を歩く

萩往還を歩く

幕末維新の志士たちが駆け抜けた歴史の道「萩往還」は城下町萩と瀬戸内の港三田尻とを結ぶ街道であります。さあ、今から、萩往還とその周辺を歩いてみましょう。きっと新たな発見があるはずですよ。


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今年はあの「七卿落ち」から数えて150年なのであります。

文久3年(1863)8月18日の政変により、
長州藩へ身を投じた三条さんたち。

 

その際、久坂玄瑞先生が詠んだと言われます、
今様歌がこちらであります。

 

「う~む。枯れたええ字を書いちょってじゃのう。」

しかし、この歌、
「長州藩幕末維新の群像・山口県立山口博物館編集・山口県」
「尾崎三良自叙略伝 上・尾崎三良著・中央公論社」
それから、下関市長府にあります功山寺の説明文。
それぞれ内容が異なっているのであります。

「う~む。一体どうなんじゃろうかのう。
せっかくじゃけえ これらを混ぜ合わせて僕なりに考えてみようかのう。」

それで何とか考え抜いて出来たものがこちらであります。↓

世は刈薦(かりこも)と乱れつつ 紅(あかね)さす日もいと暗く
蝉の小河に霧立ちて 隔ての雲となりにけり
うらいたましや 霊(たま)きはる 大裡(内裏)に朝暮 殿居せし
実美朝臣 季知卿 壬生 沢 四条 東久世 其の外 錦小路殿
今浮草の定めなき 旅にしあれば駒さえも
進かねては嘶え(いばえ)つつ 降りしく雨の絶え間なく
涙に袖の濡れ果てて これより海山あさぢが原
露霜おきてあしが散る 難波の浦にたく塩の
辛き浮世はものかはと 行かむとすれば東山
峰の秋風身に染みて 朝な夕なに聞き慣れし
妙法院の鐘の音も 何と今宵は哀れなる
いつしか暗き雲霧を 払い尽くして百敷(ももしき)の
都の月をし愛で給ふらむ

文久三年八月十八日 思ふことありて この舞曲を詠いつつ
都を出で立ち侍る

万己登(まこと)

しかし、久坂先生、ほんとええ歌を作っちょってです。
天才的ですのう。