「梅干しを漬けたのあるから、お裾分けしようか?」
と言われた。喜んで、
「うん、欲しい!」
と言った。
後日持って来てくれたのは、梅干しというより梅の甘酢漬けといった感じで、大きい八助という梅を、種を取り除いて8等分に丁寧に切って紫蘇で漬けた物。
この人は、以前、「怒鳴る人・怒らない人」のblogに出てきた、「トトロパパ」。
元プロの料理人。
食欲のない病気のお母さんの為に、塩分を控えちょっと甘めにして、食べやすくしたそうだ
一口食べてみて、本当に優しい味だった。
梅なのに、ふっくらして、食感がとても良くて、
「おいしー。」
と感激した。すこーしずつ食べて無くなったので、似たようなのを探したけどどこにも売ってなかった
その旨伝えたら、
「うちのカミさんが、そんなに美味しかったならもっと持っていってあげれば、と言ってたよ。」
と言う。いえいえ滅相もない。そんな厚かましいこと、出来ない。
「それより、レシピが欲しい。自分で作ってみたい。」
と言ったら、???という顔してた。後日その話しを、奥さんや何人かの人に話したらしく、
「誰も、レシピが欲しいなんて言う人は、いないよ。」
と言われた。私は自分の思いを話してみた。
「実家の母が作った料理で、すごく美味しかったのがあった。
母が亡くなった後、姉達と、あれは美味しかったねと話すけど、もう二度とあの味と同じのは食べる事は出来ない。レシピがあったら、母から受け継がれた財産として残ったのに。料理の作り方を教えて貰えば良かったと、とても後悔している。
あなたに頂いた物を食べ終わったら、それで終わりだけど、本当に美味しかったから、作り方を覚えて、自分の財産にしたい。だから、レシピが欲しい。」
と言ってみた。黙って最後まで聞いてくれた。
ん?熱く語り過ぎたかな。ちょっと恥ずかしくなった。
私みたいな素人が、財産なんておこがましいけど。料理人には、レシピは財産なんだろう。
トトロパパは、後でパソコンから起こして、持って来てあげると約束してくれた。
果たして、レシピを貰ったからといって、同じような物を作れるかな?
早く、梅の季節がこないかな。
作る楽しみが出来た。
そういえば、遠くに住んでる息子が、
「コーヒー酒を作りたいんだけど、作り方を教えて。」
と、メールをくれた。いつも作って置いていて、息子も時々呑んでたから、
「買ってくるコーヒー酒より、お母さんの作ったのが美味しい。」
と、言ってくれた。適当に作ったんだけどね。コーヒー豆多めにして。自分で作ってみたいと思ったんだな。
「ありがとね!」
の返信のメールを見て、作ってるのを想像したら、フフッと笑いたくなってきた。でも、まさか、おふくろの味→コーヒー酒 なんて思ってはいないだろうね、我が息子よ。
数年前、余命宣告された若いお母さんが、5歳の幼い娘さんに、せめてしてあげられる事として、みそ汁のレシピを遺してあげた。
それが、
「はなちゃんのみそ汁」
という本になって、出版された。
表紙の、みそ汁を作っているはなちゃんは、けなげでいじらしい。
寂しさに負けないよう。
お母さんがいつも側にいてくれていると思えるよう。
このレシピを遺そうと思ったお母さんは、とても賢明な方だと思う。
今日は、そのはなちゃんの、13歳のお誕生日。
「おめでとう。」
もし、どこかで、母の作った、あの料理と同じ味に出会ったら
私は、ボロボロ涙を流して、食べるかも知れない。
あー、もっとお料理のお手伝いしておけばよかった。
なんてね。