最初の頃は、1苗を、猫の額程の小さな花壇に植えていた。
孫が生まれ、ミニとまとを採るのを、とても楽しむようになったのを期に、毎年苗が増えていった。
黄色のとまと、形の長いとまと、まんまるいとまと、と種類を増やしていった。
孫が、やっと歩き始めた頃は、まだ背丈が小さくて。
実になったとまとの中に入ると、そこは緑の森のなか。
赤い実を、とても楽しそうに採り、ぱくっと食べた。
それが、とても可愛くて。
ジブリの森かい?って、突っ込みたくなる。
それが、1年毎に、目覚ましく大きくなり、反応の仕方も、変わっていった。
たまにだが、遊びに来たとき、凄く嬉しいリアクションをしてくれる。
「わぁー!
ばあちゃん、とまとがいっぱい!
こんなにとれたよ!」
それだけで、とても嬉しい。楽しい。
それが嬉しくて、採らずに待っている。
それでも、次に来るまでの間にも、とまとは、熟するのを、待ってはくれない。
採って、朝、昼、晩と食べるのだが、間に合わないくらい、とまとはどんどん熟す。
そこで、道路沿いにある我が家の前を通る人に、
「とまと、食べきれないから、持っていきませんか?」
と、声を掛ける。
私は、この一本道を通る人は、近所の人という感覚なので、知らない人でも挨拶する。
割りと、殆んどの人は、「えっ?」という反応しながら、貰っていってくれた。
ここの家の人だという、身元が分からないわけではないから、安心感があるのかも知れない。
これをきっかけに、挨拶を交わせる位になれたらいいなと思っている。
実際、この声かけをきっかけに雑談していく人も何人かいた。
海で拾った昆布を干したのを、お返しと持ってきてくれた人もいた。
ご親切に、まだ青いところを勝手にいっぱい採って、
「おいて置けば赤くなるから。」
と、私に渡していったおばあさんもいた(あなたが貰っていって欲しいよ)。
「いや、私は、熟してから採りたい。」
と言ったけど、頑として曲げない(笑)。
自転車を押しながら、通りかかった男子高校生二人に、
「とまと、貰っていかない?」
と、声を描けたら、
「あ?いえ……、いいです。」
と、丁寧に断られた。なんとなく、変なおばさん、と思われた気がした。
この事を娘に言ったら、高校生が、とまと貰うか?と、言われたけど、とまと、美味しいでしょうが。来年も通りかかったら、声掛けるつもり。
ミニとまと。
予想外の、人との関わりが、楽しい。
孫に喜んでもらいたい。それが一番。
娘も結構楽しんでくれている。
それが、最期の収穫を終え、今日、全部取っ払った。
もう、枝も枯れて、終わりだなと思ったから。
……夏が終わったな。
5月頃から植えて、水やりして剪定して。
最初に食べた、一粒のミニとまとの、あの美味しさったら。味濃かったなー。
たった100円ちょっとの苗が、こんなに楽しませてくれるなんて。贅沢な時間です。
とまとに感謝するっていうと、変な人だと思われるだろうけど、来年も楽しみにしているよ。
ありがとう。ミニとまと。
なんてね。