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さんすけのつぶやき

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彼女とは、友達ではなかった。


高校3年間、同じクラスでありながら、あまり言葉を交わした記憶はない。
生徒会活動に活発に加わり、部活もしっかり頑張り、ふんわりとしたその人柄はみんなに慕われ、わりと目立つ存在だった。

私には無いものを全て持っているようで、羨ましかった。

そんな対照的な彼女と私は、同じ会社に就職した。
一年間位一緒に仕事しただけで、それぞれ地元を離れて別々の地で生活していた。

その後、筆まめな彼女は、年賀状、暑中見舞のハガキを、ずーっと何十年も書いてくれた。そのお陰で、縁が続いている。
人との繋がりを大事にする人なんだと思う。

それぞれ家庭を持ち、決して安泰なだけでないいろんな事があって、今日まできた。


いつかは会いに行きたい。


ずっと思っていたが、行動に移せなかった。
失職した今、時間はたっぷりとある。


よし、行こう。


そう思ったのは、あと半年で60歳を迎える今。

ずいぶん長いこと、顔を見ていない。
歳をとった自分を見て、分かってもらえるだろうか。
誰?とならないだろうか。
期待と不安を持ちながら、予定を組んだ。


大好きなシンガーソングライターのライブを観に、上京した。
次の日、電車で40分くらいの駅に行き、そこからバスで20分くらいの彼女の家の近くの素敵な店で待ち合わせ。

ちょっと早く着いて座ってたら、

「さんちゃん。」

と懐かしい声。
一瞬辺りを見回した。
ん?どこから聞こえる?
目の前にいる人、誰?
ん?
ん?

ちょっとパニクってしまった。
若い時の顔から、時間が止まっているのだから、すぐに見分けがつかない。
私の名前を呼ぶんだから、この人なんだろうな。
軽い挨拶を交わし、お互い席に着いても、緊張が抜けない。

でも話すうち、ふんわりとした雰囲気、声も全く変わらず、やっと若い頃の彼女と一致し、ほっとした。
老けたとかいうのでなく、大人びたというか、人相が変わったというか。

そこからは、もう話すことがいっぱいで楽しくてしょうがない。次から次へと言葉が出てくる。
そろそろ帰ろうかと思ったら、家に寄っていってと招待してくれた。
とても安らげる素敵な家でした。
取り繕うことも忘れ、本音で話せ、泣いたり笑ったりで、あっという間に夕刻になってしまった。
夕御飯の支度があるだろうから、おいとまします。

高校の時友達でなかった人と、今こうしてその人の家でくつろいでいるのが、不思議でしょうがなかった。
彼女のお陰で縁が続いている事に、感謝の思いでいっぱいです。

でも、すぐ誰だか分からなくて、ごめんね。複雑な気持ちだったろうな。
彼女は優しいから、変わらないねと私に言ってくれたけど、私はその言葉が、直ぐには出なかった。バカ正直というか……。

とても優しい時間を頂き、大雨の中駅まで送って貰い、名残惜しく別れた。


今回の旅、大好きなシンガーソングライターと、久しぶりの同級生との再会で、元気の元のようなものが胸にとどまり、色褪せてた日常が明るくなったような気がする。

なかなか治らない体調に、心が折れそうな時もある。でも、もうちょっと頑張ろうと今は思える。


又会いに行くから、どうかお元気で。

そして、ありがとう。





数日後に頂いた写メール。
昔から絵が上手だった。
いつでも見れるようにしたいので、貼り付けておきます。