近所のお婆さんが高齢の為、昨年の6月頃から畑を借りている。
色々と植えるものも増えて、それと平行して水やりも大事な作業になってきた。
家から畑までの距離は、100m位はあると思う。
近所の人に焼酎の入った大五郎の空きペットボトルを頂いたので、それに水を詰めて1回に4本位ずつ運んでいる。当然それっぽっちでは足りない。連日30度を超える暑さの中、日課になってる水運びも楽でない。
でもその甲斐があって、作物は今のところ枯れていない。
お婆さんの畑の前と横は、耕作放棄地になっている。広くて草っ原状態。やはりそこも、高齢により作物を作る人がいなくなったそうだ。もう何十年も放ったらかし。
その土地を買った人が、現れた。
200坪を25万円で買ったそうだと、他の人が教えてくれた。へー、こんな不便な所、誰が買ったんだろうと驚いた。
というのも、そこに行くには、車1台がやっと通れる、道から奥まった私有地を通らなければならない。車を置くところもない。しかも畑は2m位下に下がっている。階段を降りて畑にたどり着く。
もうひとつの通り道は。
私が借りている畑の脇を通って、荒れ地の他所の土地を通り抜けなければ、たどり着けない。
分かりやすく言うと、八方塞がりの土地なのである。
以前、畑の前の家の人が、200坪もあるこの土地を、無料で貰ってくれないかと持ちかけられた事があったそうだ。その人は断ったそうだ。ただでも要らないと。
そうして数年経って荒れ果てた土地になって。
それが25万円で売れて、持ち主もホッとしているんだろうねと近所の人が言う。
隣だから、いったいどんな人なんだろうと気になった。
畑に行ったら、若い女性が畑を一生懸命耕していた。こちらから声かけした。
若い。
年内までにはそれらしく整えたいと。
他県にいたが、旦那さんの転勤でこっちに帰ってきたばかりだそうだ。他県では家庭菜園で畑をやってたそうで、みるみるうちに畝を作って苗を植えていた。とても手慣れている。
凄いなー。
でも水はどうするんだろう。
実は、この土地内に水が湧いてるところがあると言う。
えー。
見てみたいとお願いしたら、草を刈ったら見せるという。
その週末、旦那さんとその友達2人で、草刈機を使って刈っていた。彼女も一生懸命手で刈っている。草で隠れていた土地は、思ってた以上に遥かに広かった。
そして数日後に、水の湧いてる所を見せてくれた。
湧いてるというより、縦横深さ1m位の四角い箱型にコンクリートでしっかり作られてあり、そこに地面に埋められたパイプ管の先から箱に水が溜まる様になってた。満杯になれば、すぐ隣の下水道に流れる。
水はとても冷たくて綺麗だった。
地下水が湧いてるんだな。
凄い。
「使ってもいいですよ。」
と言ってくれた。いえいえ、これまで通り家から運びますと遠慮したけど、一晩経って、頂けたら有り難いなと思い直した。
畑に行ったら、彼女はもう畑仕事をしていた。
遠慮がちに、やっぱり水頂けたら助かりますとお願いしたら、いともあっさりと了承してくれた。どうせ溢れて下水道に流れるから、勿体ないじゃありませんかと言ってくれた。
もう、有り難くて有り難くて。
この方とはいい関係でいないと。
お互い畑仕事をしに来てるのだから、あまりお喋りに時間をかけない様。邪魔しない様。根掘り葉掘り聞くとかしない様。等、色々気をつけようと思う。うざいと思われない様に。
本当に有り難い。
ニュースでは、連日の暑さ、水不足で、農家の作物が枯れたりしているようだ。暑い中、手間をかけてきたのが売り物にならないなんて。気の毒過ぎる。
水、有り難いなぁ。
人との縁、有り難いです。