この名前のついた花もたくさんあります。 

 夢中で山に登っていた頃はみんな同じに見えていました。というより違いなんてどうでもよかったです・・・。

 今でも分からなくなると「どっでもいいけど・・」って思って誤魔化します。

 

 

 「キンバイ」です。 漢字では「金梅」です。

 輝くような黄色で「金」、梅に似た花で「梅」です。
 

 その代表としてはまず「シナノキンバイ」です。

 漢字では「信濃金梅」です。

 

 

 キンポウゲ科 キンバイソウ属の多年草です。

 名前には信濃がついてますが、長野県特産ではないようです。

 本州中部以北~北海道の亜高山帯から高山帯の雪渓が住まいです。

 

 

 図鑑には日本固有種とするものと、朝鮮半島や中国にもある・・とするものがあります。 初夏の雪解けを待って開花します。

 

 

 北海道には「ボタンキンバイ」という有名なのがあります。利尻山に特産します。

 また、隣の礼文島には「レブンキンバイソウ」もあります。

 そして本州中部以北~伊吹山には今年タイミングよく出会った「キンバイソウ」があります。

 

 

 そして花はこの花もキンポウゲ科ですから、花びらは萼片です。

 本来の花弁は線のように細く9つあり、雄しべと同じくらいの長さですが、実際はなくなっているのもあって9つある方が少ないようです。

 花びらに見える萼片は5~7枚です。 雄しべはたくさんあります。

 

 

 葉っぱは、根生葉には長い柄があって2~3枚出で掌状に5つに裂けます。

 茎葉も複雑に3全裂し側裂片はさらに複雑に細かく裂けます。 

 

 

 ちょっと前の2016年にこのシナノキンバイのタイプ標本の果実の袋果に「竜骨」があるのが確認されて、これが「チシマキンバイソウ」と同じことが確認されたそうです。このことは何を意味しているの?

 

 

 似た花を比較するのに、雄しべと花びらのそれぞれの長さを比べてみるのも大切みたいです。

 その中で①キンバイソウは花びらが雄しべよりも長く突き出ている。

 ②チシマキンバイソウは花びらが雄しべより長いかまたは短く、袋果が直立し明瞭な竜骨があり、嘴は太く短く内曲する。とあります。

 まあ、果実の頃に見ることが無いのでわかりませんけど・・。 

 

 

 キンバイの三羽烏、三名花と勝手に決めているのが「シナノキンバイ」、「ミヤマキンバイ」、そして「チシマキンバイ」です。

 

 その二つ目として・・

 「ミヤマキンバイ」です。  漢字なら「深山金梅」です。

 バラ科、キジムシロ属の多年草です。

 
 
 シナノキンバイとは属が違うので他人です。
 暮らしているのは本州の中部以北~北海道、さらにもっと北の千島やサハリンです。それに何故か済州島にもいるそうです。
 

 

 もちろん高山植物です。

 日本の中部山岳では、亜高山帯~高山帯の砂礫地や草地です。

 

 

 草丈は10~20くらいです。

 葉っぱは3出複葉です。小葉は倒卵形で縁には粗鋸歯があります。

 バラ科らしくイチゴの葉っぱに似ています。

 

 

 花は直径で1.5~2cmほどで、基本は5つの花びらです。

 花びらの先がくぼんでいます。また、付け根の近くは橙黄色になります。

 萼片と副萼片があり、ほぼ同じ長さですが、副萼片の方が幅広です。

 

 

 雄しべは多いけど、だいたい20本前後です。また雌しべも多数あります。

 

 

 仲間に「ウラジロキンバイ」があり、葉の裏、茎や葉柄に白い綿毛があります。


 

 

 三つ目が

 「チシマキンバイ」です。  漢字では「千島金梅」です。

 バラ科、キジムシロ属の多年草です。 ミヤマキンバイと親戚かも。

 山野草のロックガーデンに栽培されていました。

 

 暮らしているのは名前の通りで、北海道~千島列島、樺太、カムチャッカ半島の海岸近くとなっています・・・。

 でも、調べて行くと・・分からなくなりました。

 

 

 別名が「オオバナキンバイ」、「ハナイチゴ」、「セイヨウキンバイ」などがありましたが、この別名って要るの?って感じです。 

 

 

 葉っぱは3出複葉で、くっきりと鋸歯があります。

 そして寒い所で暮らすので、全体に細かい毛、絹毛で覆われています。

 ミヤマキンバイと同じように、萼片と副萼片がそれぞれ5つずつあります。 

 

 

 で、もう少し調べようと、ヤマケイの「日本の高山植物」を開くと・・これが掲載されていません。本州の中部以北~北海道の亜高山帯や高山帯では、「ミヤマキンバイ」、「ユウパリ(ユウバリキンバイ)キンバイ」、「アポイキンバイ」、「ウラジロキンバイ」、「メアカンキンバイ」、それに「ツルキジムシロ」です。 

 

 

 仕方がないので、我が家の伝家の宝刀「北海道の高山植物」北海道新聞社刊を開きました。・・・ここにもありません。

 バラ科の同様の花としては、やはりヤマケイと同じく、「ミヤマキンバイ」、「アポイキンバイ」、「ユウパリキンバイ」、「メアカンキンバイ」、「ウラジロキンロバイ」、「イワキンバイ」と、それに小低木の「タテヤマキンバイ」と「キンロバイ」です。

 

 

 念のためにキンポウゲ科も見てみると、「チシマキンバイソウ」、「ヒダカキンバイソウ」、「レブンキンバイソウ」、「ボタンキンバイ」、「ソウヤキンバイソウ(仮称)」、「テシオキンバイソウ(仮称)」がありました。

 

 さらに「日本の野草」を見ると、ここでも掲載されているのは「キジムシロ」、「エチゴキジムシロ」、「イワキンバイ」、「ツルキンバイ」、「ミツバツチグリ」、「メアカンキンバイ」、「アポイキンバイ」、「ウラジロキンバイ」、「ミヤマキンバイ」、「キンロバイ」、「コキンバイ」、「ミヤマダイコンソウ」でした。

 

 

 どうもミヤマダイコンソウに似た感じですが・・・

 このチシマキンバイは花は同じく鮮黄色の5弁花です。

 ネットなどではいっぱい資料としても出て来ます・・・。

 

 

 でも図鑑にはありません。。。。。。。。

 最後に東京新聞出版局の「高山植物」、あの尊敬する白籏史朗さんの著作ですが・・・やっぱり一言の言及もありません。