やはりこの花は必要十分条件を備えているようです。
出会ってしまったら無視できません。
野に咲く秋のキクで一番大きくなっています。
可憐というか、素朴なノギクではありません。
2メートル近くにも伸びるので、自己主張は「キク一倍強い」ようです。
「シオン」です。 漢字では「紫苑」です。
キク科、シオン属の多年草です。
もともとの故郷は中国の北部からシベリア、むそして朝鮮半島のようです。また、日本の四国や九州の山間部にも自生種が暮らしている・・とされています。
シオンの名なので人気のシオン属の代表です。
資料では古く平安時代から鑑賞用として栽培されていたそうです。
いろんな面白い別名があります。
「オニノシコクサ(鬼の醜草)」とか、「ジュウゴヤソウ(十五夜草)」、また「オモイグサ(思い草)」などがあります。 この別名もなかなか魅力的です。
葉は根生葉があります。花の時期には枯れてしまうものですが、花の前には大きい葉っぱでヘラ形、50~60cmにもなります。
茎葉は20~30cmくらいの卵形、長楕円形で先が尖ります。また、鋸歯がありますが、この鋸歯は葉の先の方になると小さくなります。
魅力の舌状花は淡青紫色で、なんとも言えないいい色。 この舌状花、キク科の花にとっては大きな特徴ですけど、いわゆる野菊でも色や形、枚数でいろいろです。
花茎には短い毛が密生しています。
総苞は半球形で、総苞片は3列で先が尖ります。
このシオンをみると、次には、「コンギク」や「ノコンギク」が気になってしまいます。
出来る果実は痩果です。