もう山野で見ることは殆どなくなってしまいました。 でも、植物園や薬草園では大切に栽培されています。 

 これは薬草園ですから名札付で安心。 

 

 

 たくさん咲いていてとてもキレイです。

 でも一つずつ見ると、イヌダテとよく似ています。

 

 「アイ」です。 漢字では「藍」です。

 

 

 タデ科、イヌタデ属の1年草です。

 故郷はインドシナ半島だそうです。中国東部、朝鮮半島、そして日本には中国経由でやって来たそうです。それも奈良時代のようですが・・

 

 

 藍染ですね。

 『青は藍より出でて藍より青し』の言葉があります。

 ⇒「染料の藍は黒や茶のような色があり、青味があまりない。しかし、染め出すと非常に美しい青に染めることができる」 このことから、弟子が師よりも優れていくことのたとえです。

 

 

 何といっても葉っぱや根を発酵させて青(藍)の染料として使われてきました。

 伝統色の代表。奈良時代から日本の文化として伝わっていますが、化学合成したインディゴ染料のおかげで、手間のかかるこの方法は衰退してしまいました。

 

 

 日本で栽培されているのは、

①「小上粉(こじょうこ) 」という品種で赤花と白花があります。

②「小千本(こせんぼん)」は青茎、赤茎があり株が直立します。

③「百貫(ひゃっかん)」これは多く収穫できるけど、品質はイマイチだそうです。 

 

 

 染料として有名ですが、薬用としても江戸時代から利用されていて、殺菌用とか解熱剤の漢方薬「藍実(ちんじつ)」というそうです。

 

 そしたら、別の資料では「最近の研究でこのアイから抗がん作用のある物質や抗菌活性のある物質も注目されている」そうです。

 

 

 草丈は50~90cm程度ですが、良く分枝します。

 葉っぱは卵円形~披針形で互生してつきます。また、茎を抱く感じです。

 

 

 花は茎先に穂状花序について、紅色の米粒のような小さい花です。白花もあるそうです。

 

 花はイヌタデそっくりで、比べても間違えてしまいます。

 

 

  出来る果実は痩果です。

 

 

 小花は苞について、その苞は赤味を帯びたロート状で縁に毛があります。

 それぞれの苞に4~5つの小花が出来て、花びらは5つ、雄しべは6~8個、雌しべは1つ。

 

 

 さらに別の資料には「今年2022年に、青森で栽培されている「あおもり藍」の葉から抽出したエキスが新型コロナウィルスの細胞への侵入を防ぐ働きがある」ことを発見したそうです。
 

 

 2000年以上も栽培の歴史があり、さらにこんな発見があるなんて・・・・すごい。