足掛け7年。早いものだ、時の過ぎるのは。
大森のとある小料理屋でやって戴いている小さな落語会。
落語会の後というものは大抵が定番の流れというのがあって、其れは「打ち上げ」
お客さんとの交流は為になったりならなかったり、、、
いやいや、様々な意見を頂戴出来る、言わば「客の目」を知れる貴重な機会だ。
そこである常連さんがこう言い出した。
「月夢さんは人情噺が良いんだよねぇ」元新聞記者だった人からだ。
私は(表情は笑顔だったはずだが)暗鬱たる心持ちになってしまった、、、
落語に多少なり知識のある人であるなれば知っているとも思うが、確かに人情話というのは、所謂「腕」が無ければ出来ない大ネタと云われるもの許りだ、それをたかが私如きに(御世辞にも)上手いと言って下さったのであるのだから、喜ぶ可き処なのかも知らない。
然しである、落語とはやはり「笑話・滑稽噺」というのが本来なのであろう。
ましてやその晩は、初めて落語に触れるという若い女性も数人居た。
「通」ばかりなら人情話も良いだろう。でも、初めての落語が人情話だったら???
芸人としてお客さんが多い時こそ、笑って頂きたいと思う。
しかし、噺家としてお客さんが多い時こそ、「良い」噺を聴いて欲しいとも思う。
芸人になるか藝(術)家になるか・・・
いつも迷う。そして落語の壊し方に悩む。
なんて、つかわない頭で久し振りに考えたりしちゃった、朝一番の寒風の中のホームなのでした・・・
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