ポスティング・システムを使った、楽天岩隈のメジャー移籍はご破算ということになったようです。
応札がありながら交渉が決裂した初めてのケースです。
私はアスレチックスが独占交渉権を獲得したというニュースを聞いた時から、これは成立しにくい球団だな??と
思っていました。
岩隈が移籍を希望するのはメジャーで活躍したいという気持ちが一番だということはもちろんですが、
彼もプロですから、金銭的にもメジャーのビッグな年俸獲得という目的を持っていたはずです。
松坂や井川(笑)のビッグな契約を見てきていますから・・・・・・。
私はアスレチックスと聞いた時、「岩隈さん、アスレチックスはレッドソックスやヤンキースと違うでえ~~!!」と
思わず声に出してしまいました。
案の定、この交渉決裂の裏には、岩隈には到底受け入れられない条件提示がなされたようです。
蓋を開ければ、今季年俸3億円とほぼ同額の提示だったようですよね。
岩隈は年平均800万ドル(6億6400万円)以上を求めていたそうで、交渉は当然早々と決裂したわけです。
メジャー球団の中でも、きわめて資金力の乏しいチームなのに、強いチームとして有名です。
ヤンキースの年俸総額の3分の1以下なんて年もあるぐらいです。
金銭ゲームになってしまった野球を、独自の選手評価や経営方針、プレーのやり方など、それぞれの要素を見直したのがアスレチックスでした。
そして、ヤンキースの何分の一の年俸総額にも拘らず、毎年優勝争いに加わってくるチームを作り上げました。
それをしたのが、アスレチックスの有名なGM,ビリー・ビーンです。
今回の岩隈の交渉記事にもビリー・ビーンの名前が見られます。
ビリー・ビーンというカリスマGMにかかってはそんなに甘い契約がなされるわけもなく、景気が悪い今ということだけではなく、過去の松坂や井川の時のような大型ポスティングはあり得ないと思っていたとおりの結果だった訳です。
アスレチックスのビリー・ビーンの話は
講談社から「マネー・ボール」(マイケル・ルイス著)という本が出ていますので、お読みください。
全米ベストセラーだったそうです。
本の帯には
オークランド・アスレチックスの驚くべき投資戦略とは・・・・・
高校生ルーキーよりも大学生ルーキーに投資する (選手の将来性には期待しない)
高打率の選手よりも、長打力がある選手よりも、出塁率が高い選手(初球から振っていく積極的な打者は、どれだけ打っても評価しない)
打点にはまったく意味がない (「チャンスに強い」などというふれこみは、いっさい信用しない)
被安打は投手の責任ではない (投手を評価する基準となるデータは与四球数、奪三振数、被長打率だけである)
と書かれています。
面白いノンフィクションでした。
岩隈選手は、カリスマGMのビリー・ビーンのお眼鏡にかなったのかな?と思ったり・・・・。
他のチームにとられせない為にビリー・ビーンはジャマをしたのかな?と思ったり・・・・・。
アスレチックスは、面白いチームであることはまちがいないのですがね。
私は金勘定抜きにして、ビリー・ビーンの元で活躍する岩隈を見てみたいなあ~と思ったりしていたので、
ちょっと残念ですわ
星野さんはしてやったりでしょうが、楽天は補強費の金勘定がちょっと狂ったかも・・・・。
多恵子