(引用元:朝日新聞より)
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最初は遠慮がちだったけど…「選⼿不⾜」超え
て交わった⼆つの⽂化
朝日新聞 埼玉版
仙道洸 2022年1⽉25⽇ 15時30分
⼈数不⾜でチームがつくれない。そんな共通の課題を持つ⼆つの学校が⼿を取り合い、⼤会に出場した。⼆つの異なる⽂化を持つ⼦どもたちの絆は、年を重ねるごとに固くなっている。
今⽉5⽇。 さいたま市 内のグラウンドで、サッカー13歳以下(U13)による 埼⽟県 南部地区⼤会が開かれていた。
1回戦のピッチに⽴ったのは、さいたま市予選を通過した市⽴⼤宮南中と 埼⽟ 朝鮮初中級学校(ともに同市 ⼤宮区 )の合同チーム。前半にエースの丁昌平(チョン・チャンピョン)選⼿(13)が先制点を挙げたが、1―3で敗れた。
負けはしたが、チームには充実感があった。
⼤宮南の窪⽥義広選⼿(13)と増⽥武蔵選⼿(13)は「埼⽟朝鮮の⼦たちがすごく親しく接してくれたので、すぐに信頼関係を築けた」。
埼⽟朝鮮の梁世怡(リャン・セイ)選⼿(13)は「普段 朝鮮語 で会話をするので新鮮だった。互いに声を掛け合って、⽇に⽇に仲良くなっていった」と笑顔だった。
両校の距離は2・5キロほど。普段の交流はほとんどなかった。
埼⽟朝鮮の⼦どもたちは、学校⽣活で⽇本の⼦どもと触れあう機会は少ない。
⼤宮南も、外国にルーツを持つ⼦どもたちと接する機会は乏しいという。
そんな両校の⼦どもたちがサッカーを通じて出会ったのは、4年前。
U13⼤会に出場するために、ともに選⼿が⾜りなかったのを補うために、合同チームをつくることになった。
結成当初は⼿探りだった。埼⽟朝鮮の郭峻宇(カク・チュヌ)教諭(28)は「打ち解けたころには、⼤会が終わっていた」。⼤宮南の⼦どもたちは、初めて触れる⼈も多いという朝鮮名を覚えるところから始まる。
埼⽟朝鮮の⼦どもたちは、学校では朝鮮語でやり取りをしているところを⽇本語に変える。互いに慣れない環境でプレーやチームワークを作り上げるのは難しく、試合も勝てなかった。
でも、⼤会後も⼦どもたちは別のサッカー⼤会で再会するなど、つながりを保っていった。年々、互いの意思疎通が深まると、試合でも勝てるようになっていった。
今年度のチームは 新型コロナウイルス の影響もあり、合同練習は1⽇だけだった。それでも、すぐに⼦どもたちは打ち解けた。チームは、初めて県南部地区⼤会に駒を進めた。
⼤会を終えて、郭教諭は⼦どもたちに語りかけた。「最初は遠慮がちだったけど、今は思ったことを⾔い合える同じ⼀つのチームになれた。
⾃チームでもっと強くなって、また会いましょう」。⼤宮南の加藤優志教諭(35)も「いろいろな⼈と出会うのはとてもよい経験。この経験をサッカーのみならず、⽣かしていってほしい」と語った。(仙道洸)
※また情報は入りましたらアップします。