1950.6.25 始まった朝鮮戦争から21年
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(引用元:毎日新聞記事より)
朝鮮戦争「従軍」日本人 銃持ち戦闘に 93歳、重い口開き証言
「確かに私の字だ」。神奈川県内のある集合住宅で暮らす男性(93)は、米軍作成の尋問記録に残るサインを見つめた。毎日新聞は2020年6月、朝鮮戦争時に在日米軍基地従業員ら60人の日本人が朝鮮半島へ米軍と渡航し、うち18人が戦闘に参加していたことが米軍作成の極秘文書で判明したと報じた。朝鮮戦争勃発から25日で71年。その戦場にいた元基地従業員が生きていた。
男性がサインした尋問記録は、米軍作成の「韓国における日本人の無許可輸送と使用」と題した極秘文書の中にあった。尋問記録が残る60人の大半は勃発直後の1950年7月ごろに渡航し、約7カ月後の51年1~2月に帰国させられていた。九州出身者が多く、そのほとんどが20歳前後の基地従業員だった。
71年前、男性も大分県別府市の在日米軍基地「キャンプ・チッカマウガ」で働く炊事係だった。朝鮮戦争が勃発してすぐ、基地で働く他の日本人従業員たちと朝鮮半島へ渡った。炊事兵として帯同されたはずだったが、現地でカービン銃を持たされ、戦闘にも巻き込まれた。同じ部隊から1人の日本人が行方不明になり、今も消息は不明のままだ。
米軍の尋問記録には、朝鮮半島への渡航を口外しないようにと書かれてあり、サインは誓約の意味もあった。「当時のことは(米軍の)部隊との約束で多くは話せない」。そう前置きした上で、戦争を放棄したはずの戦後日本から「従軍」した生き証人が、重い口を開いた。【飯田憲】