コロナ支援で朝鮮大生ら「差別」 国連の報告者、日本政府に書簡 | 共同通信より
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〈社説〉外国人学生差別 国連の指摘はねつけるな
↑長野・信濃新聞より
制度上の差別だとして強く是正を求めた国際社会の意見に耳を貸さない日本政府の姿勢が浮き彫りになった。コロナ禍で困窮した学生の支援制度で、朝鮮大学校の学生や、外国人留学生を分け隔てて扱った問題である。
人種差別や少数者の権利を担当する国連人権理事会の特別報告者４人が、２月に連名で日本政府に送った書簡で指摘していた。政府は差別ではないとして聞き入れず、是正に応じなかった。
昨年５月に設けた学生支援緊急給付金だ。学費や生活費を賄うアルバイトの収入が半分以下に減ったことなどを要件に、最大で２０万円を支給した。
朝鮮大学校は、学校教育法上の各種学校であることを理由に除外された。けれども、卒業生は大学院の入学資格が認められ、既に制度上も大学と同様の高等教育機関と位置づけられている。
海外の大学の日本校にも対象を広げながら、朝鮮大学校を除いたのはつじつまが合わない。書簡は、朝鮮大学校で学ぶ在日朝鮮人らを差別し、制度から排除したことを懸念すると言明した。
政府は、高校授業料の無償化や幼児教育・保育の無償化でも朝鮮学校を除外してきた。それを踏まえれば、朝鮮大学校だけを狙った排除ではないという説明を素直には受け取れない。
留学生は「学業成績が優秀な者」に対象が限定され、上位３割に相当する要件が定められた。政府は、日本人学生には別の基準があり、支給格差はないと言うが、成績を条件にすることがそもそも筋違いだ。書簡が述べるように、コロナ禍で直面する困難は学業成績とは関係がない。
国際人権条約に照らして在日外国人らが不当な扱いを受けていることを国連の専門家たちが一致して指摘した事実は重い。政府は一方的な言い分を振りかざして背を向けるべきではない。
少数者を排除する制度上の差別は、排外的な主張を社会にはびこらせる土壌にもなる。憲法が定める法の下の平等は、国籍に関わりなく全ての個人に保障が及ぶべきものだ。外国人だからと人権が軽んじられてはならない。
在留資格がない外国人を無期限に収容する入管政策をめぐっても日本政府は再三、国連の条約機関から改善を促されながら、応えてこなかった。人権侵害を条約機関に直接申し立てる個人通報制度も受け入れていない。国際人権条約の遵守に後ろ向きな姿勢を根本的に改める必要がある。
※また情報入りましたらアップします。