朝日新聞インタビュー朝鮮学校無償化除外、オモニ会前会長に聞く | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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(フェイスブックより)
 
 
 
 
 

朝鮮学校無償化除外、オモニ会前会長に聞く

 
 
 
 
 

 朝鮮学校だけを無償化から除外していることに、国連子どもの権利委員会は2月、日本政府に是正を勧告した。大阪朝鮮高級学校オモニ会の会長を5月で退いたホン・ジョンスクさん(49)に考えを聞いた。

 

 ――スイスで1月にあった審査を傍聴されました

 

 全国のオモニ(朝鮮語で母親)代表団の一員として行き、現地では南アフリカのスケルトン委員らと話をすることができました。緊張のあまり頭の中が真っ白になりましたが、「朝鮮学校が無償化から政治的な理由で除外されて8年が過ぎました。子どもたちは傷つき、勉学とともに権利を得るために闘っています」と訴えました。

 

 委員はうなずきながら「過去にも勧告が出ているのでよく知っています」と言ってくれました。

 

 なによりも感動したのは私の目を見て話をしてくれたことです。私の朝鮮語を委員は分からなかったと思う。それなのに一言一言にうなずいてくれた。考えてみると、ちゃんと人の目を見て話すって当たり前ですよね。でも、これまで交渉に行った日本の役所の担当者はずっと下を向いて紙の内容を読みあげるだけでしたから。

 

 ――勧告への考えは

 

 包括的だった過去4回の勧告から一歩踏みこんで指摘してくれました。国連の勧告は重いはずなのに日本政府は無視を続けている。罰せられないから守らなくてもいいというものではないはずです。

 

 それなら違う形で闘っていくしかない。新たな勧告を日本の人に知ってもらうために私たちがあらゆる場所に出ていく。しつこくしつこく訴えて無視できないようにしたい。朝鮮学校だけが排除・差別されていることに「なんでやろ」と考えてほしい。新たな勧告を世論喚起の武器にしたい。

 

 政治や外交の問題で一番触ったらあかんのが子どもたちのことではありませんか。金銭的な負担もそうですが、学校が身近にないことも不安です。子どもには小学生のころから地下鉄を乗り継ぐ1時間の通学をさせていました。迷子になることではなくて、政治的に悪いニュースが流れると嫌がらせが子どもや学校にいくことが怖いのです。

 

 ――民族教育権とは

 

 私たちが朝鮮の歴史や朝鮮語を学ぶ権利のことです。自分はどこからきたのか(ルーツ)と、自分は何者なのか(アイデンティティー)は一体です。自分が朝鮮人だと分かることが自分が朝鮮人であることに誇りを持つ第一歩です。

 

 在日3世の私は幼稚園から高校まで朝鮮学校に通いました。朝鮮人だから当たり前という感覚でした。一方で「日本の学校はただ」「朝鮮学校は高い」ということも小さいころから気づいていた。それを「朝鮮学校だから」「しょうがない」で済ませてきた。なんでやろう。どうしてやろう……。

 

 おそらく、差別されるのも外されるのも当たり前という「差別慣れ」でした。いまでも出自を隠している子どもが少なからずいます。なぜ朝鮮人であることが恥ずかしいことなのですか。私たちの歴史は私たちという存在を守ってくれる。その歴史、言葉、文化は朝鮮学校でしか学べないことなのです。(聞き手・構成 下地毅)

 

 <国連の勧告>子どもの権利委員会は2019年2月7日、高校無償化制度を朝鮮学校へ適用するよう日本政府に勧告した。同制度からの除外や自治体補助金の停止には10年以降だけでも人種差別撤廃、子どもの権利、社会権規約、自由権規約各委員会から是正を繰りかえし求められている。日本政府は「法的拘束力はない」と受けいれていない。