金正恩氏(左)とトランプ大統領(コラージュ)=(聯合ニュース)
米朝首脳再会談27日からベトナムで トランプ氏が発表
トランプ大統領は一般教書演説で、北朝鮮問題に関し「核実験は中断され、ミサイル発射は15カ月にわたり行われていない。もし私が米大統領に選ばれていなかったら、われわれは今ごろ北朝鮮と大きな戦争をしているだろう」と指摘。「まだすべきことは多く残っているが、金正恩氏との関係は良好だ」と強調した。
ベトナムは初会談の開催地となったシンガポールと同じく朝米双方と友好関係を持っており、早くから首脳会談開催地の最有力候補に挙げられていた。トランプ大統領はベトナムのどの都市で開催するかについては言及しなかったが、警備が容易な中部のリゾート地・ダナンが有力視されている。ほかに、北朝鮮大使館のある首都ハノイも取り沙汰されている。
2回目の首脳会談は、トランプ大統領と金委員長が大胆な譲歩と決断により、初会談以降の非核化の行き詰まりを打開する突破口を開けるかどうかが大きな焦点になりそうだ。
初会談では朝米関係の改善や平和体制構築、完全な非核化に向けた意思などを盛り込んだ4項目からなる共同声明を発表したが、具体性に欠けるとの指摘を受けた。
朝米首脳はともに、包括的な合意にとどまった初会談の繰り返しになってはならず、具体的な合意を導き出さねばならないという政治的プレッシャーを抱えている。
任期3年目に入ったトランプ大統領は長く足を引っ張られてきたロシア疑惑と昨年11月の中間選挙での敗北で立場が弱まり、来年の大統領選で再選に挑むには「北朝鮮核問題の解決」というレガシー(政治的遺産)が必要だ。
金委員長としても、経済開発を掲げて核放棄を宣言し、米国との交渉に乗り出したからには、どうにかして対北朝鮮制裁を解除させ、外国資本の誘致などで経済発展の道筋をつけねばならない。
首脳会談の開催に向け、米国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表は6日に北朝鮮・平壌を訪れ、カウンターパートの金赫哲(キム・ヒョクチョル)元駐スペイン大使との実務協議に入った。双方は北朝鮮の非核化措置と米側が見返りとして提供する相応の措置を巡り、激しい駆け引きを繰り広げる見通しだ。
北朝鮮北西部・寧辺核施設などの廃棄を受けて米国が取る措置としては、休戦状態にある朝鮮戦争の終戦宣言、朝米間の連絡事務所設置、人道支援の拡大などが取り沙汰されているが、北朝鮮は制裁緩和を要求しているとされる。
米国はシンガポールでの初の首脳会談後、非核化が先だと北朝鮮に圧力をかける一方で相応の措置には口をつぐんでいたが、今回の実務協議を前にして非核化と関係正常化の「同時的・並行的」な履行方針にかじを切るなど、大きな態度変化を見せた。これは非核化の段階ごとに部分的な制裁緩和を含め外交関係の樹立や平和体制の構築といった見返りを提供できるという意味だ。
ビーガン氏は先月31日、非核化完了前の制裁緩和はないという従来の立場を示しながらも、「われわれは北朝鮮が全てを終えるまで何もしないとは言っていない。双方に信頼をもたらす多くの行動をする準備ができている」と述べた。また、米国の大統領は過去のどの大統領よりも朝鮮半島の70年に及ぶ戦争と敵対を終息させることに専念しているとし、2回目の首脳会談で朝鮮戦争の終戦宣言と平和協定に関して具体的に議論する可能性も示唆した。
一方、トランプ大統領は一般教書演説に先立ち一部の報道関係者に対し、今月末に中国の習近平国家主席と会談する予定だと明らかにした。これを受け、朝米首脳会談と米中首脳会談が続けて開かれ、南北と米中の4者が参加する形の終戦宣言と平和協定問題が議論される可能性があるとの見方が出ている。トランプ大統領はただ、米中首脳会談がベトナムで開かれるかどうかは不確実だと述べた。
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