＜朝高へ行くと受験に不利なのか？＞の問題について

＜朝高へ行くと受験に不利なのか？＞の問題について

※いろんな意見をまとめてみました。

（金 滉さんのフェイスブックより　1月24日 17:42アップ分）

【拡散歓迎】
全ての朝高関係者に是非読んでいただきたい、朝高教育と受験勉強（学び）について。
※少し長く、また、偉そうな文ですがコメントで批評をいただければとおもいます。

最初から少しそれるが、朝高でよく言われる二ヶ国語喋れることは今時メリットとして相対的に大きいものとはいえないだろう。現に自分の大学の友達の三分の一は二ヶ国語以上操れる。朝高に通う一番のメリットは朝鮮語で思考できること。しかも日本語と同時に。これは勉強のすえ勝ち取れるものではない。まさに「生活」と言語が結びついてこその賜物。先生方には（目に見えないものを宣伝するのは難しいことは理解しつつも、）是非この面をもっと強調していただきたいと思う
その上で、学校の勉強は意味がないと言う朝高生は学校の勉強も受験勉強や学び（以下単に「受験勉強」）にも大して打ちこめてないと私は考える。

自分は学校の授業でやったことは全て受験の身になっていると感じている。一番関係ないと思われる国語（朝鮮語）はむしろ一番役立ったものの一つ。（役立つとの表現の是非はここでは批判の対象から外していただきたい。）
具体的には、

①知らない言語に対する壁が著しく低くなった

②複数言語でのパラレルな思考が可能になった

③言語は言語毎に異なると言うことが当たり前になった（例えば、英語と日本語に一対一の関係の単語など存在しない）。

受験において、基本的にどの学校に行っても自習が一番大事。よって、自分で学ぶ力がどれだけあるかが合否を分かつ。ここで大事になるのは国語力である。国語力のない子は参考書の解説を理解できず、自習による向上が期待できない。
自分が塾で教えていて感じるのは、（受験）勉強ができない子には国語ができない子が多いと言うことだ。視点を変えると勉強ができる子に文章が読めない子はいない。言語化はできなくても少なくとも感覚では理解できている（言語化もできる受験生は大成功する）。私は受験で国語が一番大事だと考える（自分の大学で塾講師をしている友人たちも共通の意見が多い）。

では、なぜ朝高の教育が受験において最も大事な日本語に結びつくと考えるか。厳密に国語と日本語の間に相関があるとは考えない。しかし、朝高では常に「なぜ」の課題が与えられる。これに真剣に取り組むことが、日本語の読解につながると考える。つまり、いわゆる行間（文と文の間。筆者がその思考に至った過程のうち明確には書かれていないもの。数学でいう途中式のようなもの。）を読む力につながるのである。この力がそのまま現代文ひいては入試の成績にそのままつながると行っても過言ではない。一度、数学の途中式を全て書いてみてほしい（例えば、解の公式を使うなら、なぜここで解の公式を使えるのか。因数分解で方程式を解くなら、因数分解した後と解との間を自分の言葉で繋げるかなど）。現時点で正確に書ける人はおそらくいないと考える。しかし、朝高での「なぜ」を追求させる課題に熱心に取り組んでいれば、訓練次第ですぐにできるようになる。手段のうらの「なぜ」を考えることは、文と文の間の「なぜ」を考えることと非常に似通っているからである。これが、朝高の教育が受験につながると考える理由である。

私は現在大学生だが、朝高時代の経験、特に先生方に貸していただいた本の数々は現在の学びの動機の多くを形成した。もちろん高校時代に学校教育科目以外に得られた知識はそこまで多くはないが、学ぶ喜びという一番大切なものを授業内外で教えていただいた。本当にコマッスミダ。

その上で、私は、近年の朝高の勉強のレベルは低くないとの言説（＝広告ー私はもはや（安売り）広告でしかないと考える）に危機を感じる。この言説は私の考えからすると、私の評価より下の位置に朝高を置くものでしかない。
どうか朝高の先生方には、この素晴らしい学校のために、「レベルは低くない」なんてわかりきったことではなく、そのレベルの高さを示していただきたいと考える。また、在学生はこの素晴らしい学校の素晴らしい先生方のもとで学べていることをどうか無駄にしないでほしい。

少し長くなってしまったが、これが現在の私の朝高の教育についての考えである。朝高に3年しか関わっていないようなペーペーの私が先生方に注文をつけるのはまさに身の程知らずと言ったものだが、一つの批判の材料にしていただければ光栄である。

こういった意見も

ラーニングピラミッドの理論から見ると「他者に教える」ことが学習を定着させる上で最も効果が高いので、ウリハッキョではイインジョサミンジョなどお互いに教え合うグループ学習がよく取り入れられているので、実はとても効率のいい学習環境なのです！
https://career-ed-lab.mycampus.jp/career-column/707/

続いてこちら

（Lee JongHaeさんのフェイスブックより　1月25日 22:45アップ分）

留学同の某法学部仲間の先輩が大学受験について論じていたので僕も経験者として書こうと思いますがそんな深いことは書きません、多分。なんか書いたのを読み返してみるとなんとも上から目線で偉そうな文章になってしまいましたが、悩める朝鮮学校の生徒や受験を考えてる朝高生の保護者、朝高まで行かせると大学受験が不安という保護者の方に読んでいただければ幸いです。

ーー

中高の6年間、一度たりとも最優等の成績通知を持ってきたことのなかった僕は一昨年の2月、過大評価されがちだけど一応偏差値は西日本トップクラスの同志社大学に一般入試で受かりました。この書き出しだとありふれた陳腐なサクセスストーリーのようですがそんな感じには書きません、多分。

まず、「小中は朝鮮学校だけど大学受験を考えたら朝高に行かせるのは不安」と考えてらっしゃる保護者の皆様、全く心配ありませんので子供の意思を尊重してください。朝鮮学校のカリキュラムは日本の学校と水準は変わりません、むしろ高い部分もあります。あくまでハッキョで真面目に勉強してこなかった僕の体感でしかないですが、英単語が若干少ない、古文と地理の分量がやや少ないくらいです。
確かに高3で二週間の修学旅行があり、体育祭や学祭の準備、部活は卒業までやる前提と時間的負担はあります。しかしそのくらいの負担は実力を養えばカバーできます、逆にその程度のロスで落ちるなら最初から受かりません。僕自身は基礎がダメダメだったので部活は1学期いっぱいで停止しましたし、学級委員的な仕事も回さないようにお願いしましたが、サッカー部のキャプテンしながら受かった先輩もいます(イレギュラーと言われればそれまでかもしれませんが)。部活を最後まで継続できるかは個人個人の実力次第です。

そして次は学生自身と保護者の方に伝えたいことは「関関同立とかの難しめのところを目指したいけど尻込みしてしまう」というのがあるかもしれませんが、予備校行かせたりするならチャレンジした方がいいです。国公立は流石に科目数も多く勉強のペース配分や戦略がストイックになってきますが私立なら三教科を押さえれば受かります(文系は英国社、理系なら英数理)。諦める前に情報収集することをおすすめします。

そして諦めないことは大事ですが油断してはいけません、「あの先輩でも受かったんだから俺も受かるだろう」って気持ちで臨んだら落ちます。現時点の自分の実力を模試なりなんなりで確かめてから目標までに必要なものを分析しましょう。受験勉強は誰かと比べる相対的なものじゃなくて絶対的なものです。勉強を始めた時点も始めた時点での実力も一人一人違いますから。
あと、多少模試の成績が伸び悩んでも焦ったりくよくよしないこと、むしろ時間の無駄です。次は上げてやるくらいの冷静でアグレッシブな気持ちがいいです。
それと予備校の先生や指導員がランクダウンを勧めてきても絶対に無視すること、僕は某今でしょ予備校の難関私立対策模試の成績は最後までDでした。それに別に受験失敗して死ぬわけじゃないんですから最初の目標は完徹すべきです。じゃなきゃ一生後悔します。

とりあえず今のところはこのくらいでしょうか。また夏休みが近づいたり本番が近づくと細かい話が出てきますが、来年受験するという学生やその保護者の皆様に話せるのは現時点でこのくらいです。
とにかく重要なのは「朝高のレベルじゃ…」なんて考えはやめるべきです。自分自身の問題です。そして努力次第で実力は伸ばせます、もちろんただがむしゃらにやればいいってもんじゃないですけど。

ついでに述べておくと、成績が学年トップじゃない限り、指定校をアテにするのは危険です。受験するであろう学年一位が突然の進路変更で指定校を申し込むというのはいくらでもある事例です。「指定校取れなかったら朝大いけばいーや」くらいの考えなら(そんな思いで朝大行くなって思いますが)まだしも本当にその大学に行きたいなら一般入試の方が却って確実です。

とまあかなり上から目線で偉そうな文章になってしまいましたが、朝鮮学校の生徒には卑屈にならず、大学受験だってウリハッキョで育てた精神をもってチャレンジして欲しいです。

※いろんなご意見があると思いますが

参考にしていただければと思います。