終わりましたー! | 佐野光来

佐野光来

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  無事に「新年工場見学会2019」が終わりました!
  私はハイバイの「〜なにかのニセモノ〜 八王子の雑貨屋」で、高樹という役をやらせていただきました。


  ざっとあらすじを。。(あらすじと書きながらぜんぶみたいになってしまった)
  全国を旅してまわってはその土地で起こった話を聴く旅の法師が、八王子で雑貨屋を営む“やまもと”と出会います。やまもとは旅の法師に聞かれます。「その男はなんだね?」やまもとの後ろには男がついているというのです。男の姿はやまもとには見えません。心当たりのあるやまもとは、身の上話を始めます。現れる雑貨たち。雑貨を愛でるやまもと。
  ヨーロッパで買い付けてきた雑貨の価値は、あまりお客さんには伝わりません。なかなかうまくいかない経営のなかで、ある男がふらっとお店にやってきました。広告代理店で働く金持ちの男、松田でした。彼は雑貨屋に癒しを求め、お店に通うようになるのです。高額商品の雑貨でも松田は嬉しそうに購入していきます。やまもとは、そんな松田の存在に救われる想いがします。やまもとと松田の関係性が出来上がってゆくなか、雑貨に吸い寄せられるように、新たな客、高樹が店にやってきました。静かに雑貨と漂う高樹に、心動かされるやまもと。彼女の存在にもまた救われたような気持ちがしたのでした。高樹と話したいけれど、いつも店にいて大きな声で喋る松田の存在が少し疎ましく感じ始めたやまもとは、松田にある提案を持ち掛けます。それは松田をフランスへ、雑貨の買い付けに行かせるという提案でした。そして起こる松田の悲劇。松田はフランスのぼったくり絵描きに引き止められ、あれよあれよと殴り合いの喧嘩をしてしまいます。全身ひき肉になり、殺されてしまう松田。高樹と松田はフランスでの暴動の目撃者と共に、フランスに渡ります。松田の最期の姿を追いかけるようにフランスを歩くやまもとと高樹。悲しみの先で求め合うふたり。。。壮絶なラストシーンへ繋がってゆく。。。
  と、いうお話でした。笑

  初めて台本を読んだときは、雑貨って、なにを置くのかなあと思っていたけれど、私たちは私たちのからだで、布とか地図とか、たくさんの雑貨になることができました。雑多に置かれた椅子は、飛行機にも、絵画にも、ドアにも、それから人間にもなりました。
  演劇の力を目の当たりにしてほんとうに感動しました。
  目撃者でありながら、見て見ぬふりをしたりだとか、悲しみながらも、捨てられない欲望があったり。信じたいように信じる、ものやお金の価値について、そのエゴのようなもの。
  そういえば自分も、あっち側でもあればこっち側でもあるときがあるよなあ、と感じるたくさんの瞬間がお芝居のなかにありました。
  実態があとからあとから追いついてくる、演出、とても勉強になりました。

  そんなわけで初めての舞台が、みなさまのおかげでほんとに貴重な体験になりました。感謝です。

  世の中のどこかで起こる、不思議な出来事が、ひっそりとこれからも続いていくといいなあ。雑貨屋さんのことも、折にふれて思いだすといいなあと思います。