令和7年度東京大学学位記授与式を挙行

2026年3月24日

 

 卒業に際しての「軸」について以下のような記事が目に留まった。

 

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東大生が「商社・コンサル」に殺到する本当の理由。「別に仕事内容には興味ない」現役生が明かす就活のホンネ

「私の周りでも商社やコンサルは人気です。ただ、別に本気でそれらの会社に行きたいわけではなく、『やりたいことが決まっていないなら、とりあえず稼ぎたい!』ってことのよう。

そういった軸の決まっていない人は、軒並みお給料が高くて、大手で、規模が大きい業界を手当たり次第に受けているようで、やはり将来的に安定を取れそうな選択肢を選びたいのかな、と見ています」

選択肢が広がるようなキャリアパスを形成したくなるのは、当たり前。

なぜなら、社会に出たことがない大学生には、自分が社会に出てから活躍する姿を想定するなんて、ほとんど不可能だからです。

とはいえ、選択肢を最大化していく動きは、あくまで保険がかかるような動き方であって、いつかは選択の時が来る。

そして、その時、肥大化した選択肢の中から、唯一の答えを選び取るのは、やはり自分の責務において行わなくてはいけません。

無心で選択肢を増やし続けられることは一種の才能ですが、同時に「選ぶ際に心が惑わされないのだろうか」といらぬ心配すら浮かんでくる。

増やしたはいいが選べない……なんてことのないよう、せめて選択肢と同時並行で、自分の軸も形作ってほしいものです。

<取材・文/布施川天馬>

 

 それなりの「選択肢」を選び取った上で「大勢に従った道」を進めば、バラ色の人生を過ごせるかというと、後半生で砂をかむような境遇が待っている場合もある。

 

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「もう、誰からも必要とされてない…」退職金3,200万円・年金月20万円の60歳元部長の絶望。定年後1ヵ月で届いたメールが「広告のみ」の現実

長年、組織の第一線で活躍してきたビジネスパーソンにとって、定年退職はゴールであると同時に、人生最大の「環境変化」でもあります。十分な退職金と安定した年金。一見すれば、誰もがうらやむ安泰な老後を手にしたはずの人であっても、いざ会社を離れると、想像もしなかった現実に直面することがあります。ある男性のケースをみていきましょう。

「最初は解放感を味わっていましたが、1ヵ月もすると違ってきた。自分がいなくても会社は普通に回っている。もちろん、誰からも連絡がないのは、きちんと引継ぎをしてきたからであって、当然のことではあるのですが、『ああ、私の代わりはいくらでもいるんだな』と、痛感するしかなかった」

「会社名は、思っていた以上に自分の一部だったんですよ。取引先と会うときも、肩書きが信用そのものだった。今はそれがない。自分が何者かわからないまま、ぼんやり時間が過ぎていくのが、本当にツラいです」

収入減よりも、役割の消失のほうが重い──退職後、趣味を増やそうとゴルフサークルに参加しましたが、そこでも話題は現役時代の仕事の話ばかりになってしまう。

「結局、過去の肩書きでしか自分を説明できない。これが定年後の現実なのかと思い知らされているところです」

定年後、仕事中心の生活から一転し、役割や生きがいを失う人は珍しくありません。またそれにより、メンタルヘルス不調に陥り、うつを発症することも。厚生労働省『令和2年 患者調査』によると、うつ病などの気分(感情)障害の総患者数は約172万人。年齢階級別では50代後半から60代にかけて受診者数が高水準で推移しています。特に男性は、現役引退期と重なる年代で受診割合が下がらず、一定数が医療機関につながっていることがわかります。

さらに、内閣府『令和5年版 高齢社会白書』では、60歳以上で「孤独を感じることがある」と回答した人は約4割にのぼります。社会的孤立は、抑うつ症状の有意なリスク因子とされており、国内外の疫学研究でも関連が示されています。

また、東京都健康長寿医療センター研究所などの研究では、就労や社会参加の機会を失った高齢男性は、抑うつリスクが上昇する傾向があると報告されています。収入水準よりも、「社会的役割の有無」が心理状態に強く影響する可能性が示唆されているのです。

ここで注目すべきは、経済的に困窮していない層にも発症がみられる点です。退職金や年金額と、抑うつの有無は必ずしも一致しないのです。役割の喪失、対人接触の急減、生活リズムの変化……いずれもストレス因子であり、強いストレスが一定期間続くことで、抑うつ状態や適応障害を引き起こすことがあるのです。

 

 誠実な人柄、仕事はできる、社内での評判も悪くない。それでも、「大勢に従った道」の先には孤独な日々が待っている。「自分の軸」というものに考えが及ばなかった結果なのだ。