子どもたちに”さんにゴリラ”と呼ばれていたぼくは、お約束の様に、それに乗って遊びました。教室には、子どもから贈ってもらったゴリラのぬいぐるみがありました。
保護者参観の授業で工藤直子さんの『ゴリラ日記』を読みました。
それに続けて、1年の後半で『ゴリラはごりら』のデザート授業を行いました。
その記録のブログ記事(元は学級通信『らぶれたあ』です。)
『ゴリラ日記』くどうなおこ
授業「参加」(参観ではないという主張をしています)の“テッパンネタ”として、くどうなおこさんの「ゴリラ日記」を推しています。(くどうなおこ『ゴリラはごりら』童話屋刊より)
ぼくは、ブログに、たくさんの詩・ことばあそびを紹介してきたので、「ゴリラ日記」も紹介済みだと思っていました。
しかし、調べてみると、話の流れでそれに触れた記事はありましたが、「ゴリラ日記」そのものについては何処にもありませんでした。
ぼくには『らぶれたあ』という著書があります。そこに紹介しているので、ラクしてそこから紹介します。(そこにいくらかのコメントを書いて)
この「 」の中を予想して発表するときに子どもたちのことばや表情がホントにオモシロイ。
それを聞くお母さん(お父さん)の思わず顔をしかめる表情もまた楽しい。
「うちのママなんか、『はやく起きろ!』なんて言って、布団を引っぱがすんだよ」
「うちも!」「うちも!!」「オレんちなんて、蹴っ飛ばすんだ!」
お母さんたちは(サンニセンセイはまた余計なこと聞いてッ!)とぼくを睨みつけました。
でも、子どもたちも、ぼくもお構いなし。大笑いしながらすすめます。
夕方の、日記でゴリラくんが「わたぐも ながめていたら」のところで、みうちゃんが「きれいなゆうやけだね、と言ったと思う」と発言したとき、みうちゃんのおかあさんのにこやかさ。自慢げだったなあ。
そりゃあ、そうだよね。クラスのやんちゃたち、ママたちがどんなに乱暴かばかり言うんだもの。ママたち、ホントは優しいんだけどなあ。
最後に、「どの言葉も同じだったんだよ」ぼくが明かし、「しっかりおたべ」を入れて、詩を音読したとき、音読も優しい読み方に変わりました。
授業後に、たくさんの保護者の方から「L&L」(ラブレター)をもらいました。
それを読み、子どもたちの授業ではあっても、そこに立ち会う人が皆学んでいたのだと分かりました。
たった一つの短い詩を読むだけ。子どもたちは、思ったままに自由に発言する。ぼくは、にこにこしながら(みんなは、サンニセンセイはなぜニヤニヤしてるンですか!というけれど)発言を聞くだけ。
保護者の方たちは、詩の内容に触発されて、自分の子どもへのかかわりを内省的に振り返る。誰にそうしろと言われたわけでもないのに。
みなさんも、ぜひ、授業参観で読み合ってみてください。ぼくの十八番の授業です。
❤️❤️❤️❤️❤️
不思議❗
前日、翌日アップするこのブログ記事を夕方に書き、北朝霞で用があって出かけました。早目についたので、駅前のカフェカ☕😌✨でひと休みしました。
本を読みながら顔をあげると、アルバイトらしい女性の店員さんと目があいました。
「アッ❗みうちゃん?」
それは上で紹介したみうちゃんでした。大学1年生、まぶしい女性に成長していました。
「三二センセイ、変わりませんね」
これはオセジでしょう。ほんとにビックリです。
『ゴリラはごりら』くどうなおこ
「詩を読むよ」
こういって、黒板に題名の「ゴ」を書いたとたん、こどもたちから声が飛びます。
「ゴリラだ!」
ぼくは、にんまりしながら、「なに?ゴリラだって」ととぼけます。もうこどもたちを引き込んでいる時点で、授業は楽しく展開することは決まったようなものです。
たくさんの詩を読んできましたが、「どこにそんな時間があるんですか?」という質問がしばしば出ます。時間はなんとでもなります。「この詩をこどもたちと読みたい」という気持ちがあれば。
朝の会、帰りの会、学年集会、「国語」の授業の初めか終わりに、学級指導の時間に、「道徳」の教材として(エヘン!ぼくの取り上げる詩はどれもすぐれて「道徳的」なのです。どこがだって?「バナナのじこしょうかい」(まど・みちお)なんて、身分、格差、真実を見抜くこと、人権意識を醸成するにはぴったり!)など。
ぼくは、準備には時間をかけません。準備なしで,気楽にできるからこそ続けられます。
黒板を使います。チョーク一本あればいい。
ぼくが書いていく一行、一行をやりとりしながら写します。それで十分。
戻ります。
題名はこうです。作者名も書きます。
「ゴリラはごりら」 くどうなおこ
「ほら、やっぱりゴリラだったよ」、「なんでカタカナとひらがななんだ?」、「ゴリラ日記ってあったよね」
こどもたちのつぶやきを拾うところから協同の読みは始まります。
「ひらがなのごりらは子どもみたい」
「カタカナだと、なんか強そうだなあ」
「うん、ひらがなはやさしい感じだ」
<1連>
でんぐりがえりの ゴリラ
うでたせふせの ゴリラ
なにをやっても ゴリラ
ゴリラはとても ゴリラ
やりたい子にでんぐりがえりをやってもらい(教室の床はカタイのでゆっくりと)、終えたら、立ちあがりながらポーズしてもらいます。そこに、みんなで「ゴリラ!」と声をかけます。
うでたせふせでも同じことをします。
「ゴリラ!」のポーズで、両腕をあげて胸を張る動作、胸を両手でドコドコと叩く子もいます。自慢げな表情がいい。
「さんちゃんもやってよ!」
こどもたちに「さんにゴリラ」と呼ばれている本家本元、迫力満点のゴリラをやって見せます。(もちろん,でんぐりがえりはやりません。)ウッホ、ウッホ、ドン、ドン,ドン!!
動作を入れて読んだ方が何倍も楽しい。
<2連>
はっぱをぱくりと ゴリラ
きのみをごくりと ゴリラ
2連の2行を書くと、後の行は予想がつきます。「ぱくり」「ごくり」だものね。
なにをたべても ゴリラ
ゴリラはとても ゴリラ
つまり、1連は「やること」、2連は「たべること」。
<3連>
かぜにふかれて ゴリラ
くもをながめて ゴリラ
こころのそこまで ゴリラ
とても○○○な ゴリラ
とても○○○な ゴリラ(くりかえし)
3連の「○○○な」を考えてみました。
「いいこな」、「げんきな」、「りこうな」…とこどもたちが思ったことばを出していきました。
その中で、「おばかな」、「くさい」という子がいました。これには一言添えました。
「ホントにそう思ったの?ふざけてないかな。ゴリラがうれしくなるようなことばをかけて欲しいんだよ。おばかだとか、くさいなんて言われたら、さんにゴリラとしては、悲しくなるなあ」
「ほめた方がいいんだよ、そうしたらゴリラくん、うれしくなると思うよ」とアオイくんがフォローしました。
「とてもりっぱな ゴリラ!」「とてもりっぱな ゴリラ!」
みんなにほめられてうれしくなるゴリラです。ウホ、ウホ!