三木句会ゆかりの仲間たちの会:原宿美都子さんのクルーズ体験記
クルーズ初体験の記
2023年8月、クルーズ経験者である友人夫妻からさそわれ、主人があっさりと賛同。
思いがけず、9日間のクルーズ旅行に出ることになった。新聞の取り置きを依頼。スーツ
ケースは2人で1個におさまったものの、後期高齢者には重たいので宅配にたより、横浜港
から函館、小樽、釜山、長崎をまわる船旅に出航した。
乗船すると、何故か部屋がアップグレードされていた。何というラッキー!と思ってい
た。食事は7~8人で相席となることが多く、驚くことにその殆どの方がかなりの回数のリ
ピーター。さまざまなジャンルの興味深い話を聞けるのもクルーズの魅力の1つとわかった。
その中の1人が、ご自分の経験から思うにとおっしゃるには、初めての乗船者はたいてい優
遇される。こんなに快適ならまた次回も…と思ってもらうためなのですよ、とのこと。
なるほどそんな戦略だったのか、と納得しつつ、広い部屋で快適にゆっくりと過ごさせて
もらった。
船旅のイメージは、限られた船のなかで退屈しつつ過ごすというものだったが、乗った
船は長さ300メートル近くもあるので、朝・昼・晩、いくつもあるレストランに行くのも
陸上での日常よりもよほどウォーキング三昧。途中にはショップ、バー、プール、カジノ、
大浴場、ジム、劇場等さまざまな施設があり、ゲームやカラオケ、演奏、ダンス、映画、
落語、手品、ショーなどの催しをやっている。毎日その日のスケジュールが配られるので、
希望のプログラムに自由に参加。友人はゲームに挑戦して賞品のワインをゲット。おかげ
さまで私たちもレストランでお相伴にあずかった。
港に着くと、観光地をめぐるツアーが用意されているので、希望するなら参加したり、
各自自由に街を散策したり、もちろん上陸せず船でゆっくり過ごすのもあり。我々は、小
樽では、札幌在住の娘夫婦と久々に会ってランチを楽しむことができた。
釜山では巨大な魚市場を訪問。店をのぞいていると、どの店にも見たこともない7~8セ
ンチの白いプラナリアのような魚が並べられており、食欲はまったくそそられないのだけ
れど、いったい何なのか知りたかったが、言葉が通じないので不明のままだったのは残念。
お昼時で、市場の2階にある食堂で食べている人の様子を見ていると、料理を注文すると、
店の人が市場で魚を調達して調理してくれるというシステムらしい。言葉は通じないけれ
ど我らもなんとか注文でき、新鮮な魚料理をいただくことができた。長崎では王道のチャ
ンポンと皿うどんを賞味。
クルーズ旅行は、ホテルからホテルへ荷物を出したり入れたりして運ぶ必要がない寝て
いる間に次の寄港地に運んでもらえるので移動による疲れはない、船の中でも見ることや
ることが毎日もりだくさんで退屈はしない、と体力にやや難ありの我々にも無理なく旅が
味わえるシステムであり、同年配の皆さまにリピートする方々の多いことが納得できた9
日間であった。
来年またちゃっかり船上の人になっていたりして…。
夏未明船のベランダ日の出待つ 原宿美都子
photo: y. asuka
投げ接吻を投げて届かず舟遊び 鷹羽狩行