放課後 | sanmokukukai2020のブログ

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    放課後

 

 

   この春から三木句会に参加された吉村未響さんと米澤 然さんから、自己紹介を兼ねた一文

   をいただきましたので、ご紹介いたします。

 

 

    皆さまはじめまして。吉村静香と申します。私が使用している未響という名は、未来に

   響くようにという気持ちを込めています。また音楽が好きで、40年くらいバイオリンを続

   けていますので、音を名に込めたいという希望もありました。

    昔、この世で文学にならない言語はないと教わりました。どの言語にもその美しさがあ

   ります。ですが、母国語の美しさが分からなければ、他の言語の美しさは分からないと思

   います。 現在私はイタリアで生活をしていますが、美しい日本語にふれる機会になかなか

   巡りあえず、寂しさと物足りなさを感じていました。

    同じくイタリア在住の小泉真樹さんが、私を俳句に導いて下さったのはこの4月のこと

   でした。俳句には日本語の美の顕現を感じています。この先、たとえ細くとも長く続けて

   いきたいと思っております。皆さまには、今後ともどうぞご指導のほど、よろしくお願い

   申し上げます。

    現在、様々な不安な情勢の中にありますが、皆さまの心の中には穏やかなひとときが訪

   れることを願っております。

                                      吉村未響

 

 

 

    5月にお仲間に加えていただきました、米澤 然です。まだほとんどの方にお目にかかっ

   たことがないにもかかわらず、先日、素さん個人にお返事すべきことを皆様全員に送信し、

   とんだファースト・インプレッションを残してしまいました。

    ではその印象が私自身とかけ離れているかというと、打ち消すことは到底できない、生

   来の粗忽者です。たとえば、バブル期に運良く潜り込んだ文芸出版社で、特装本の箔押し

   発注時にタイトルを誤植したり。娘の受験の下見で地方大学のオープンキャンパスに出か

   け、コロナ対策で入場数をここまで絞るのかと感心していたら、日程をまちがえていたり。

   細かなうっかりは枚挙にいとまがありません。

    俳句作りは、全くの初心者です。「有馬英子・書と俳句の世界」展をサロンで拝見した

   際に、梓さんにお誘いいただきました。「はい、ありがとうございます」と答えている自

   分の声に驚き、慌てて「これまで自分から俳句を作ったことは一度もないんですッ」と付

   け加えたところ、梓さんが「じゃあきっと、英子さんがご縁を結んでくださったんだわ」

   と微笑まれました。

    そうであるとすれば、なんとありがたいことでしょうか。教養も語彙もありませんが、

   英子さんが遺されたような、飾らない、まっすぐな句を詠んでいきたいと思っております。

   皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

                                        米澤 然

 

 

 

                                photo: y. asuka

                     

                わたしが死んだら/ なつかしい ウクライナの

                ひろい丘の上に/ 埋めてくれ

                かぎりない畑と ドニエプルと/ けわしい岸べが/

                みられるように/ しずまらぬ流れが/ 聞けるように

 

                ドニエプルが ウクライナから/ すべての敵の血潮を/

                青い海へ おしながすとき/わたしは 畑も 山も/

                すべてを捨てよう/ 神のみもとに かけのぼり/

                祈りもしよう だがいまは/ 神の ありかを知らない

 

                わたしを埋めたら/ くさりを切って 立ち上がれ/

                                               暴虐な 敵の血潮と ひきかえに/ ウクライナの自由を/

                                               かちとってくれ/ そしてわたしを 偉大な 自由な/

                あたらしい家族の ひとりとして/ 忘れないでくれ/           

                やさしい ことばをかけてくれ

                             タラス・シェフチェンコ