佐々木梢さんから投稿をいただきました。自己紹介というと堅苦しい感じがしますが、
少しだけご自身のキャリアや体験をご紹介いただけるといいな、と思っています。
私が料理に携わるようになったきっかけを思い返してみました。短大では料理とは無
縁の勉強をしておりましたし、実は結婚するまでお米を研いだことすらなくて……。独
身時代はそれほど料理とは無縁の生活でした。
でも気がつけば、身近に故郷の焼物は当たり前のようにありました。唐津、有田、伊
万里焼などです。時間ができるとわずかなお金を持って窯元巡りをしていました。結婚
と同時に自分で買った器や、母が持たせてくれた唐津焼などで、友人が来るとそれに拙
い手料理を出しておりました。
ニワトリが先か卵が先か、で言うと、器が先だったような気がします。器を使いたく
て少しずつ料理に入っていった気がします。料理は奥が深く、今でも出会う料理人さん
たちには沢山の勉強をさせてもらっています。
さて、3月に入り、八百屋さんの店先に春を告げる野菜が並びます。重いコートを羽
織りながらの買い物も、口の中は春の苦味と香りでいっぱいになります。
料理には美味しいという言葉だけでは言い表せない、旨味というものがあることを
知ったのはいつの頃だったのでしょうか。子供の頃には苦味も香りも大苦手だったもの
が、今はそれを求めて、お店を梯子したり旅に出たり。春夏秋冬、日本列島は香りと苦
味の野菜のオンパレード。この豊かな食文化を絶やさない環境でいてほしいと、つくづ
く思う日々です。
簡単レシピを1つ。新じゃがと春キャベツが出始めました。フライパンにオリーブオ
イル、ニンニクのみじん切り、鷹の爪を入れ、コールドスタートします。鍋に湯をたっ
ぷり沸かし、塩を入れ新じゃがを皮ごと5mm幅にカットしたものを2~3分茹でたとこ
ろに、春キャベツを手でちぎり投入。2分足らず一緒に茹で、ザルに上げフライパンに。
全体に塩胡椒してサッと炒めて出来上がり!新じゃがは皮ごと、キャベツの芯も使って!
春キャベツの1玉なんてあっという間です。
佐々木 梢
『今月の特選の一句』の写真について
ミュンヘン郊外の湖岸に立つ小さな看板。それはこの水辺が19世紀半ばのバイエル
ン国王ルードヴィッヒ2世が入水自殺した現場と説明するものだと。ミュンヘンに住む
IT企業に勤める友人が散歩中に撮影しました。彼のメールには、”ルートヴィッヒ2世が
亡くなったシュタンベルク湖の浅瀬です。
王の水難事故とされているそうですが、これを実際に見て、怪しいと思いました。身
長190cmもあり、泳ぎもうまかったという40歳の王様が、このようなところで水死し
たというのは考えづらく、これは他殺だろうなと思いました。”と。wikipediaには、
ルートヴィッヒ2世は”建築と音楽に破滅的浪費を繰り返した「狂王」の異名で知られ
る”とあります。彼の地に音楽が根づいたのは彼の”破滅的浪費”のおかげとも言えます。
john lennon ©️richard avedon
imagine there’s no heaven
It’s easy if you try
no hell below us
above us, only sky
Imagine all the people
livin’ for today
ah...