加藤光樹の俳句 加藤光樹の俳句 『句集 風韻』より 西の山長く伏したり目借時 春荒れや脆しというも不惑なり 磁器婚やほのあたたかき白牡丹 蕗味噌や山国のこと父祖のこと 釣忍漢(おとこ)の怠惰みてありき 軒涼したちまち伸びる雲の創 潮の香のしきりに恋し心太 萎れえぬことの哀しき水中花 壁涼し眸なき目の異国の面 空蝉や寧らぎの眸のデスマスク photo: y. asuka 麦秋の藤沢在の閑居かな 松本たかし