きのこ歴30年。
その歴史の中でひときわ自分の記憶に刻まれ、そして後の世に語り継ぐかもしれない旅がある。
西暦2012年、日本は野田総理の時代。
菌学会は東北、関東、西日本3つの支部が互いに研鑽を競い、
荒ぶる猛者?が野山を駆け巡っていた。
採集紀行伝 東国演義!
少し前までは少年は外で遊んだ それが彼らの日常だった
ゲームと話すより泳いでる魚捕まえ きのこの名前など覚えたものだ
これはなに?彼が尋ねる ハラタケと我は答える
そのときすでに我は 少年を道連れにしている
先探しているから 迷わずに付いておいで
名前調べる頃を見計らい 図鑑出してあげるよ
いよいよ9月~10月のきのこラッシュの幕開け。
まずは酔渓さんのお誘いで奥多摩へ。
金曜日の夜行バスに乗り込んで新宿で降りた。
降りたのは新宿駅西口。朝6時半。
どこかで朝飯をと歩いていると、目の前に日本一の歓楽街、歌舞伎町が。
ここは普通に歩いているだけで、早朝から次々と呼び込みが寄ってくるのでうっとおしい。
新宿から電車で八王子へ。駅前で酔渓さんと合流。
今回は酔渓さんのお仲間といっしょに奥多摩を目指した。
かなり標高の高い場所へ登ってきて、さてもうすぐか、というところで無残にも通行止めが。
なんでも、翌日にこのあたりで自転車のロードレースがあるとかで、その準備作業をしているのだという。さらに当日はかなり広い範囲が通行止めや規制が行われるらしい。
ここには「都民の森」という場所があり、ちょうどその駐車場のところまでしか入れない。
木製の看板にはなにやらきのこがついている。
硬質菌だが、はたして何か?裏側は細かい管孔になっていた。
シロカイメンタケかな?
都民の森入口。売店などがある。ここから山の遊歩道に入る。道路が通行止めなので、しかたなくこの遊歩道を歩いていこうということになった。
勇ましくきのこてぬぐいを僧兵みたいに頭に巻いた酔渓さんを先頭に歩く。
暑いときに斜面を登るのはけっこうしんどい。
それでも下界よりは気温が低いのだが。
さすがにトチノキの大木などもあって、保存された森林というかんじもするが、場所によっては植林された杉・ヒノキ林だったりもする。
広い範囲内にいくつもの遊歩道が整備されている。これを右上の矢印のある方向へ歩いていくのは結構な重労働だ。軟弱者には耐えられそうにない。
道ばたでホトトギス。
結局、山道は断念して、車が通れないなら人間が歩いていこう、という一休さんなみのとんちをきかせてみたが、あいにく、ゲートを少し入ったところで止められた。
だったら最初から言えよ。
上のゲートの写真、右側にほっかむりした人物が突入しているが、山法師が強行突入を図った場面ではない。
次回、採集紀行伝 東国演義
第2話「出るか?きのこ」
いざゆかん、民のために!