
ニクコウヤクタケ(肉膏薬茸) Aleurodiscus mirabilis
担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱ベニタケ目ウロコタケ科アカコウヤクタケ属
aleurodiscus アレウロディスクス(ギリシャ語の「粉」+「皿、盤」)
mirabilis ミラビリス(驚くべき、すばらしい)
クスノキの樹皮表面に多数群生する超小型きのこ。
平面的皿状で、背着生。
周辺部は白っぽく若干めくれあがるような形で背面が見える。
表面の子実層はピンク~肉色で粉っぽく見える。
大きさは数mm程度で、クスノキの樹皮をよく見るとピンク色の群生しているようすがわかる。
2012年6月、京都市内で撮影。

きのこ自体は小さくて目立ちにくいが、顕微鏡で観察すると特徴的。
いちばんの特徴はこの胞子で、半円形をしたこの胞子の長さはおよそ30マイクロメートルもある。よくみるきのこの胞子の2~3倍はある。

組織にはこういうたくさんの枝がついた菌糸が見られるのも特徴だという。

表面の組織には長い棍棒状と枝がついた菌糸が混じっている。
組織の切片に薬品のKOHを垂らしてカバーグラスの上からごしごしやると組織がばらばらになって観察しやすくなるが、もっとばらばらにしたほうがよかったか。

茶色い大きな細胞の塊はクスノキの樹皮の細胞か?

クスノキがあれば樹皮を見てみよう。ピンクのものが点々と張り付いているかも。