きのこ歴30年。
その歴史の中でひときわ自分の記憶に刻まれ、そして後の世に語り継ぐかもしれない旅がある。
西暦2012年、日本は野田総理の時代。
菌学会は東北、関東、西日本3つの支部が互いに研鑽を競い、
荒ぶる猛者?が野山を駆け巡っていた。
採集紀行伝 新国演義!
少し前までは少年は外で遊んだ それが彼らの日常だった
ゲームと話すより泳いでる魚捕まえ きのこの名前など覚えたものだ
これはなに?彼が尋ねる ハラタケと我は答える
そのときすでに我は 少年を道連れにしている
先探しているから 迷わずに付いておいで
名前調べる頃を見計らい 図鑑出してあげるよ


宮崎海岸でのヒスイ探しを終えて、普通電車で糸魚川駅へ。
ヒスイの産地として知られる新潟県糸魚川市の中心部だ。
さきほどの宮崎海岸のある朝日町は富山県だったが、今度はさらに新潟県へとやってきた。
この糸魚川市の上流にあるヒスイ産地は国の天然記念物に指定され、古代、ここで加工されたヒスイ製品が各地へ運ばれて、遺跡から出土している。
国内の縄文時代の遺跡から出土するヒスイ製品はこの付近がほとんど唯一の産地で、世界最古のヒスイ文化なのだという。
その後、弥生時代以降はヒスイが利用されなくなり、人々の記憶から忘れ去られてしまう。
しかし、昭和になって、この付近でヒスイが産することが「発見」され、再び注目を集めることになる。
現在糸魚川市は貴重な地学的価値のある場として「ジオパーク」となっており、それを売り物にしている。そして、ヒスイの町として、町内の各地にヒスイのオブジェを設置している。
この巨大勾玉も、日本最大の勾玉として、糸魚川駅内に置かれている。

駅構内に貼られている糸魚川ジオパークのポスター。
こんな都合よく海岸にヒスイが落ちているわけないだろう。

駅を出たところの横に「ヒスイ王国館」という施設がある。
ヒスイの展示や特産品の販売、観光案内所などがある。

ヒスイの町だけあり、街角にはこうしたヒスイのオブジェが置かれている。
本物の原石をカットしたもの。

そのオブジェの横に設置されている「奴奈川姫(ぬながわひめ)」の銅像。

「古事記」によると、姫は「越」と呼ばれていたこのあたりを治めていて、出雲の大国主と結婚したのだという。

さすが、ヒスイの町だけあり、農協の名前も「JAひすい」だ。やるな。

事前に調べたところ、最近地元のB級グルメとして「糸魚川ブラック焼きそば」というのを売り出しているという。市内各地の飲食店で出している店があるというので、さっそく行ってみた。

これがこの日の晩飯だ。
手前のが糸魚川ブラック焼きそば。イカスミを使った真っ黒い焼きそばで、上に薄焼き卵がのっかっている。具材は豚肉やキャベツで、味はソース味というかんじ。

餃子もたのんだが、最初は5個で500円とは高いなと思ったのだが、出てきたのを見て、それは誤りだと気がついた。
この餃子、普通の2倍くらいのサイズはあろうか。
これ食うだけで腹一杯になりそうだった。
ということで、1日目の夜はふけていった。
次回、採集紀行伝 新国演義
第4話「たら・・・」
いざゆかん、民のために!