アカツブタケの仲間 | 三十九さんの部屋

三十九さんの部屋

いざゆかん!民のために!

イメージ 1

アカツブタケの一種 Nectria sp.

子嚢菌門チャワンタケ亜門フンタマカビ網ボタンタケ亜網ボタンタケ目ボタンタケ科ネクトリア属
nectria ネクトリア(「nectar(蜜)」+「ia」(接尾語))

2月27日、京都市内で。
フジの枯れ木に発生していた。
枯れ木の表面に赤いつぶつぶが見える。

イメージ 2

きのこというよりなんだかタラコの集合体のようにも見えるが、これがアカツブタケの仲間の子実体。これで子嚢胞子を作る。

イメージ 3

イメージ 4

拡大してみると、その名の通り、真っ赤なつぶつぶの集合体。
アカツブタケ属にはいろんなものがあり、これがどれにあたるのかはわからない。

子嚢菌には有性生殖による子嚢胞子を形成する「完全世代」と、無性生殖による「むかご」みたいな「分生子」を形成する「不完全世代」を有するものがある。
特にボタンタケ目には多いようで、冬虫夏草の仲間では、完全世代と不完全世代の見た目がちがうため、それぞれにちがう名前が与えられたものがあった。蛾の幼虫から出る白いふさふさしたものが分生子を作る不完全世代が「ハナサナギタケ」と呼ばれ、黄色い棍棒状の子嚢果を作る完全世代が「ウスキサナギタケ」と呼ばれた例がある。
このアカツブタケ属も完全世代と不完全世代があり、不完全世代は微少なマッチ棒のような形状をしている。冬虫夏草などでは完全世代と不完全世代が同じ基質から同時に発生することはないようだが、アカツブタケは両者が同時に見られることがあるという。

属名の語源となった「Nectar(蜜)」はあの不二家などのジュース「ネクター」の語源なのだろう。蜜のように濃厚で甘いということで用いられたのだろう。