
福岡県糸島市の三雲・井原遺跡出土のガラス小玉のネックレス。
弥生時代後期(西暦50年ころ)の墓から出土。
青や紫のガラスの小さなビーズをひもにとおしていた。
出土時はひもは残っていないので状態を復元している。
中には直径1mm1程度の非常に小さなビーズもある。

京都府木津川市の馬場南遺跡出土品。
谷間から今まで知られていなかった奈良時代の寺院跡が発見された。
そこからは、当時としても超高級品だった「三彩陶器」が多数出土。
出土した土器に書かれた文字から「神雄(尾)寺」という寺だったらしい。
本堂や拝殿の遺構や、溝から大量の土器が出土した。

山水や魚などをなかば立体的に造形した珍しい「山水陶器」の破片が出土。
当時の三彩陶器は、中国で作られた「唐三彩」を模して国内で作られたもの。

これも三彩陶器の香炉。
三本の獣脚がついている。こうした三彩陶器は仏具として用いられた物。

墨で文字を書いた墨書土器。
器の底に「神雄寺」などと書かれていたので、寺院の名前が判明した。

素焼きの皿。
ところどころ黒くなっているのは、油を差して火をともす「灯明皿」として使われたため。
溝跡から大量に出土した。
当時はこれをたくさん並べて火をともし、法要を行ってから溝に捨てたものと思われる。
暗い中でたくさんの灯明をつけて、現代のイルミネーションやキャンドルのごとく演出したか。
むかしのこういう素焼きの土器の皿は現代の紙コップ・紙皿感覚で使い捨てにされていた。