ハラタケの仲間 | 三十九さんの部屋

三十九さんの部屋

いざゆかん!民のために!

イメージ 1

ハラタケ(原茸)の仲間 Agaricus sp.

担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱ハラタケ亜綱ハラタケ目ハラタケ科ハラタケ属
agaricus アガリクス(ギリシャ語の「Agarikon」(Sarmatiaの地名Agaria)より。この地方で薬用きのこのことを言ったが、Tournefort,J.Pがキクラゲ類に用い、後にきのこの一般名称となったといわれる)

亜門から属までハラタケづくし。まさにきのこの代名詞といえる。

ハラタケの仲間は腐生菌で、林内地上や原っぱなどに発生する。
ひとくちにハラタケ属といっても、多くの種類がある。
主なものでも
ハラタケ(A.campestris)全体白色、白色ツバあり、傷つくとヒダ周辺や柄が多少赤変
ツクリタケ(A.bisporus)いわゆるマッシュルーム。肥沃な土地に発生。白色品種と褐色品種あり
シロオオハラタケ(A.arvensis)大型。白色~淡黄色、さわると黄変。
ウスキモリノカサ(A.abruptibulbus)絹糸状光沢あり、淡帯黄色、竹林や落ち葉の多い場所に発生
ザラエノハラタケ(A.subrutilescens)大型、カサ表面帯紫褐色繊維に覆われる
ナカグロモリノカサ(A.praeclaresquamosus)カサ表面黒っぽい繊維状鱗片、有毒という

そのほかにも未知種があり、同定の難しい属のひとつ。
食用になるものがある一方で、有毒種もある。
だから、野外で似ているからと気軽に食用にすることはさけたほうがいい。

「アガリクス」とはハラタケ属のことだが、
その一種が食品として販売されていることで、その代名詞ともなっている。
健康にいいことを期待して販売されているのは
ヒメマツタケ(A.blazei Murr)。「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」と表記されることがあるが、「ムリル」の部分は命名者なので普通、そこまでカタカナ表記しなくていい。
これに含まれる成分が免疫力を高めるのではないかと期待されているが、それを食べればただちによくなるわけではないので、過度な期待を持たない方がいいかもしれないし、依存しない方がいい。

ハラタケ属の特徴としては、胞子が黒褐色(ココア色)をしていること。
幼菌時のヒダは白色でも、胞子の成熟に伴い、白色からピンク色を帯びた色に変わり、やがて黒褐色となる。この点がテングタケ属やカラカサタケの仲間との区別点。
写真のものは今年9月に毎月の例会を行っている山の山頂にある芝生広場に発生したもの。幼菌ではカサがまだ開いておらず、白い被膜に覆われているのがわかる。これが開くと被膜がツバとなる。
開いたもののヒダが胞子の成熟によりピンク色を帯びているのが見える。
これもハラタケ属の一種というだけで、種まで同定できない。
全体が白色で、カサには白色の微細な鱗片がある。

ハラタケは芝生などの上に発生することが多く、まさに「原茸」。緑の草原に白いハラタケの菌輪(フェアリーリング)が見られることがある。そして、その場所では、きのこが発生していなくても、ハラタケが生産した物質により植物の成長が促進されて、円形に草の緑が濃くなっているのでそれとわかる。

最近はジャンボマッシュルームの白いのと茶色いのが売られている。ハンバーガーショップでは、肉のかわりにこのジャンボマッシュルームをはさんだハンバーガーが売られたことがあった。でも、ハンバーグじゃないからハンバーガーではないのでは?あえていうなら「マッシュルーマー」か?