コイシタケ | 三十九さんの部屋

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コイシタケ(小石茸) Hydnangium carneum

担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱ハラタケ亜綱ハラタケ目ヒドナンギウム科ヒドナンギウム属?
hydnangium ヒドナンギウム(hydnon食用菌の一種+angion容器)
carneum カルネウム(肉質の、肉色の)

晩秋から春にかけて、シイの樹下に発生。
丸い白っぽいきのこで、まさにその名のとおり小石のようでもある。
大きさも1cm前後くらいで、その存在を知らなければ見過ごす可能性が高い。
内部は最初白色だが、胞子の成熟に伴い淡い肉色~山吹色になる。

もとは腹菌類のヒメノガステル目で、ショウロ科と同じだった。
しかし、新分類体系ではショウロ科がイグチ目となった。
ではこのヒドナンギウム属は?
実は最近、以前キシメジ科だったキツネタケ属が同じヒドナンギウム科となった。
「原色日本新菌類図鑑」でもヒドナンギウム属とキツネタケ属の類縁関係について指摘されており、ヒドナンギウム科という分類が現役なら、その基準属であろうヒドナンギウム属も健在のはず。(その辺は勉強不足で間違っているかもしれない)
キツネタケ属がヒドナンギウム科となったことで、ヒドナンギウム属との類縁関係が遺伝子レベルで証明されたということか?

しかし、ことはそう簡単ではなく、2009年の日本菌学会鳥取大会ではコイシタケの分類についての検討が発表されている。それによると、「コイシタケ」にあてられている学名はちがうのではないか、DNAを分析すると、日本のコイシタケは「Hydnangium carneum(オーストラリア産)」とは異なるという。さらにコイシタケはベニタケ属の系統に属する可能性があるらしい。
そうすると、属そのものが変更されることになり、新たな学名が与えられるかもしれない。
よく似たものに「ミヤマコイシタケ」というものがあるらしい。

毎年出る場所を知っていると容易に見つけられるが、こういうのはよほど地下生菌に注意して観察している人間でないと見つけられない。
さらに山にもよくBB弾が落ちていたりするので、一瞬おっと思ってしまうことがある。