名言(294) ― 怠惰は悪の温床になること | saniyのブログ ― 言葉に学ぶ

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これまで出会った言葉たちについて考えていくブログです。まず、名言から始めています。

怠惰は、あらゆる悪徳の母である。
(語注: ・悪徳の母=悪徳を生み出すもとになるもの。)
[ソポクレス(古代ギリシャの劇作家)]

怠惰=悪魔が新しい罪の種子(しゅし)の実験をこころみ、主(おも)だった悪事の成長をはかる模範的な農場。
(語注: ・主だった=主な。その中でも中心となる。)
[A・ビアス(アメリカのジャーナリスト)の『悪魔の辞典』より。]

困難な課題に取り組み、望ましいことを求めて奮闘するとき、我々は正統な闘いをしているのであり、その直接的な報酬は、多くの悪徳から遠ざかっていられることだ。
[フィンセント・ファン・ゴッホ(画家)]

・職業はわたしたちの生活の背骨になる。背骨がなければ、人は生きていけない。仕事にたずさわることは、わたしたちを悪から遠ざける。くだらない妄想を抱くことを忘れさせる。そして、こころよい疲れと報酬まで与えてくれる。
・雑踏の中へ入(はい)れ。人の輪(わ)の中へ行け。みんながいる場所へ向かえ。みんなの中で、大勢の人の中で、きみはもっとなめらかな人間になり、きっちりとした新しい人間になれるだろう。孤独でいるのはよくない。孤独はきみをだらしなくしてしまう。孤独は人間を腐(くさ)らせてだめにしてしまう。さあ、部屋を出て、街へ出かけよう。

[以上、ニーチェ(ドイツの思想家)]

人間は仕事がないと、健康を損(そこ)なうばかりでなく精神的にも退廃する。
[アダム・スミス(経済学者)]

情熱もなく、仕事もなく、楽しみもなく、精神の集中もなく、完全な休息状態にあるほど、人間にとって耐えられないことはない。その時、人間は、自分の虚無(きょむ)、自分の見捨てられたさま、自分の足りなさ、自分の頼りなさ、自分の無力、自分の空虚(くうきょ)をひしと感じる。たちまち、人間のたましいの奥底(おうてい)から、退屈、憂(うれ)い、悲しみ、悩み、怨(うら)み、絶望が湧(わ)きだしてくる。
(語注: ・虚無=価値や意味が見出せないこと。無価値さ。 ・ひしと=心に深く感じるさま。  ・空虚=内部に何も無くてむなしいさま。からっぽさ。 ・憂い=憂鬱(ゆううつ)で心が晴れないさま。)
[ブレーズ・パスカル(フランスの科学者・思想家)の『パンセ』より。]



生活において打ちこんでいく仕事や活動を持たずに孤独で怠惰であることは、悪(あく)を育て、悪(あく)を招くと述べている。世間でとんでもない騒動や事件を起こす人間は、たいてい、仕事もせずに怠(なま)けていて一人鬱屈(うっくつ)していた御仁(ごじん)だ。仕事もせずにだらだらと怠惰になることを戒(いまし)めて、日々、良き仕事や活動に取り組みたい。
(語注: ・悪の温床(おんしょう)になる=よくない結果が生じやすい環境になる。)
[追記更新:24/04/26]

※※ 
今回のぶんと内容が関連するぶん    

・名言(13) ― 人が魔を招くということ
・名言(161) ― 仕事の効用のこと


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名言・100選
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