名言(165) ― 人間の内なる悪魔と神のこと | saniyのブログ ― 言葉に学ぶ

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これまで出会った言葉たちについて考えていくブログです。まず、名言から始めています。

イヴァン「ぼくが考えてみるに、もし悪魔が存在しないとすれば、つまり人間が作り出したものということになるね。そうすれば人間は自分の姿や心に似せて、悪魔を作ったんだろうじゃないか。」
アリョーシャ「そんなことを言えば、神さまだって同じことです。」

[ドストエフスキー(ロシアの文豪)の『カラマーゾフの兄弟』より。]

人間のなかには、何かしら悪魔的なものもあると同様、神に似た何ものかが存在する。
[ネルー(インドの政治家)]

人間は生まれながら神の性と、悪魔の性と、誰でも二つ持っている。
[吉川英治(作家)の『宮本武蔵』より。]

人間は、神と悪魔との間に浮遊する。
[ピエール・パスカル(フランスの科学者・思想家)の『パンセ』より。]

神とは自分の中にある働きだ、と私は考えているのです。
[遠藤周作(作家)]

神と悪魔が闘(たたか)っている。そして、その戦場こそは人間の心なのだ。
[ドストエフスキー(ロシアの文豪)の『カラマーゾフの兄弟』の長男ドミートリイの言葉。]

限りない神さまの愛を使いはたしてしまおうとするような人間に、そんな大きな罪が犯せるものではない。それとも神さまの愛でさえ追っつかぬような罪があるじゃろうか!
[ドストエフスキー(ロシアの文豪)の『カラマーゾフの兄弟』のゾシマ長老の言葉。]

人間はすべて善でもあり悪でもある。極端はほとんどなく、すべて中途半端だ。
[ポープ(イギリスの詩人)]


人間は業(ごう)と縁(えん)があれば悪魔が行うような大悪を行なってしまうと仏教では説いている。
( ・業=自身の内に刻まれている善悪を行う宿業(しゅくごう)。 ・縁=自分の内にあるものを誘い出す外的状況。)

しかし、一方で、人間には、自己の内の悪と戦い、悪を行うことを止(や)めていく自制力と、悪を行わずに善を行なっていく内なる神のような働きがある。

私たちは、前者が現れることを警戒し抑止し、後者の働きをありがたく思い、後者の働きを大事にしなければならない。
[追記更新:24/05/10]


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次の★に、当ブログでこれまで投稿した投稿記事[名言(1)~名言(165)を事項別に分けてリンクさせました。


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