名言 (34) ― 人間の内実のこと | saniyのブログ ― 言葉に学ぶ

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これまで出会った言葉たちについて考えていくブログです。まず、名言から始めています。

不思議なものは沢山ある。しかし、人間ほど不思議なものは絶無である。
〔ソフォクレス(古代ギリシアの劇作家)〕

あらゆる人間の知識のうちで最も有用でありながら、最も進んでいないものは、人間に関する知識であるように思われる。
〔ルソー(フランスの啓蒙思想家)〕

人間は神がつくったということは自分は信じられない。神がつくったものとしては人間は無常すぎ、不完全すぎる。しかし自然が生んだとしたら、あまりに傑作すぎるように思うのだ。
〔武者小路 実篤(作家)『人生論』より。〕

人間はなんという不思議な作品だろう! 理性はなんと気高く、能力はなんと無限で、形と動作はなんと適切で見事なことだろう! その行動はなんと天使に似、その理解力はなんと神に似ていることだろう!――でもその人間が、私にとっては、たかのしれた塵芥(ちりあくた)の精髄としか思われない。
〔シェークスピア『ハムレット』より。〕

人間とはいったい何という怪物だろう。何という新奇なもの、何という妖怪、何という混沌、何という矛盾の主体、何という驚異であろう。あらゆるものの審判者であり、愚かなみみず。真理の保管者であり、不確実と誤謬(ごびゅう)との掃きだめ。宇宙の栄光であり、屑(くず)。
〔パスカル『パンセ』より。〕

人間のなかには、何かしら悪魔的なものもあると同様、神に似た何ものかが存在する
〔ネルー(インドの政治家)〕



上で述べている通り、人間は、脆(もろ)くて事故等でいつでも簡単に死を迎えてしまう儚(はかな)い存在であり、迷妄にも陥り悪にも染まる厄介な存在ではあるが、一方で、心身両面において一大の小宇宙であり、その心身の高度で絶妙な仕組みや機能は知れば知るほど驚異的であり、人間は死後も別な形態の個体として存続し永遠に輪廻転生を繰り返すと言う人もいて、その全体ははかり知れず、その存在と生存はたしかに不思議で謎めいている。

そういった人間というものの心身が、人類史上、どういう形で誕生し、驚異的な内実を形成してきたのか、また、仏教等で説くように人間には不滅の尊い仏性・神性というものが内在しているのかどうか、上でルソー氏が言うように、人間というものをもっと知りたいし、科学者や宗教家や文学者が人間というものをもっと解明していってほしいと思う。
〔追記更新:23/02/24〕