本来北アメリカ原産ですが、帰化植物として国内に広く分布し、市街地などに雑草化しているため身近に見ることができます。
ヨウシュヤマゴボウは、その名の通り非常に毒性の強い植物です。
【なぜ危険なのか?】
全草有毒: 根から葉、果実まで、植物全体に毒性があります。
毒成分は、アルカロイドであるフィトラッカトキシン、サポニンであるフィトラッカサポニン、アグリコンであるフィトラッキゲニンなどで、根には硝酸カリウムが多く含まれています。
誤食すると、2時間ほど経過後に強い嘔吐や下痢が起こり、摂取量が多い場合は瞳孔を開き、強い興奮状態、精神錯乱から、さらに中枢神経麻痺から痙攣や意識障害が生じ、最悪の場合には呼吸障害や心臓麻痺を引き起こして死に至ることがあります。
幼児の場合は、種子を破砕した果汁を誤飲すると、果実数粒分でも重篤な症状を引き起こしうるために十分な警戒を必要とします。
特に秋に熟す果実は、見た目が黒く光沢があり、ブルーベリーなどの果実に似ているため、子供などが誤って口にしてしまう危険性があります。
果実の汁液が皮膚に触れると、かぶれることがあります。
【注意すべき点】
市販されているヤマゴボウ漬けの原料であるモリアザミと混同しないように注意が必要です。
道端や空き地など、いたるところで見かける身近な植物ですが、決して口にしないようにしましょう。
子供には、ヨウシュヤマゴボウに触ったり、口にしたりしないように、その危険性をしっかりと教えてあげてください。
【もし誤食してしまったら】
少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関に連絡し、適切な処置を受けてください。
一般的に、誤飲した場合に吐かせることが推奨されますが、ヨウシュヤマゴボウの場合は、嘔吐によって食道や気道を傷つける可能性があるため、むやみに吐かせないようにしましょう。
ヨウシュヤマゴボウは、美しい見た目とは裏腹に、非常に危険な植物ですので、自然の中で見かけても、決して手を出したり、口にしたりしないようにしましょう。
特にヤマブドウやブルーベリーなどと間違って食べ、下痢や嘔吐(おうと)などの食中毒を起こした事例も報告されています。
切手は2001年ガンビア発行の「世界の薬用植物切手」の中の一枚で、ヨウシュヤマゴボウが描かれています。
切手は1998年ロシア発行の「野生のぶどう切手」の中の一枚で、マンシュウヤマブドウが描かれています。
切手は2022年日本発行の「秋のグリーティング切手」の中の一枚で、ヤマブドウが描かれています。

