クッシング症候群は、副腎の異常によってコルチゾールが過剰に分泌される病気で、症状としては、体重増加・満月様顔貌・中心性肥満・紫斑ができやすい・やせた四肢などがあり、更に免疫力低下・高血圧・糖尿病などの合併症のリスクも高まります
クッシング症候群は、アメリカ人脳外科医のハーヴェイ・ウィリアムス・クッシング(1869~1939)よって1912年【クッシング病】として初めて発見されました。
クッシング症候群には、以下のようなさまざまな原因があります。
1.下垂体腫瘍:
下垂体は脳にある小さな腺で、コルチゾールの分泌を調節するACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を産生しますが、下垂体に腫瘍ができると、ACTHの過剰分泌を引き起こし、クッシング症候群につながる可能性があります。
2.副腎腫瘍:
副腎は、コルチゾールを含むホルモンを産生する腺ですが、副腎に腫瘍ができると、コルチゾールの過剰分泌を引き起こし、クッシング症候群につながる可能性があります。
3.特定の薬使用による
長期間コルチコステロドを服用すると、クッシング症候群の症状が現れることがあります。
※コルチコステロイドは、炎症の治療によく使用される薬の一種※
クッシング症候群の診断には、血液検査、尿検査、画像検査など、さまざまな検査が必要となります。
治療法は、原因によって異なりますが、一般的には腫瘍の摘出、薬物療法、放射線療法などが含まれます。
クッシング症候群は、適切な治療を受ければ、効果的に治療できる病気です。
しかし、治療を受けないと、重篤な健康問題を引き起こす可能性があります。
クッシング症候群の年間有病率は、成人を含めて100万人に2~5人でまれな疾患です。
下垂体性クッシング症候群の年間頻度は、100万人あたり1.2~1.7人、副腎腺腫は100万人あたり0.6人です。
男女比は同等か男児がやや多い傾向にあります。
我が国においてクッシング病は、指定難病75とされています。
切手は1988年米国発行の「偉大なアメリカ人切手」の中の一枚で、ハーヴェイ・ウィリアムス・クッシングが描かれています。