新医学アラカルト-40.暗黒の臓器とは- | 血液の鉄人の医学と切手のサイト

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暗黒の臓器とは、膵臓を指す俗称です。

膵臓は、以下の理由から「暗黒の臓器」と呼ばれています。

膵臓は、胃の後ろにある長さ15~20cm、厚みは2cmほどの薄黄色の臓器で、食べ物の消化を助ける膵液という消化液を分泌する外分泌機能と、血糖値を一定濃度に調整する内分泌機能を担っています。

膵臓は「沈黙の臓器」と⾔われており、症状を出さず、静かに、しかし確実に病気を進⾏させてしまう非常に怖い臓器で 膵臓がんと診断がついた時点で手術ができるケースは約 20%程度と⾔われており、10年生存率はわずか5%となっています。

膵臓が暗黒の臓器と呼ばれる所以は、

1.検査で異常が見つかりにくい

膵臓は、胃の後ろにあることから他の臓器に囲まれているため、検査で異常を見つけることが難しくその結果、膵臓ガンなどの病気が進行するまで発見されないケースが多くあります。

2.症状が出にくい

膵臓は、消化液やインスリンなどの重要なホルモンを生成していますが、これらの機能が低下しても、初期段階では自覚症状が出にくい場合があります。

3.治療が難しい

膵臓ガンは、他の臓器に転移しやすいため治療が難しいのが現状です。

このように、膵臓は発見や治療が難しいため、「暗黒の臓器」と呼ばれています。

膵臓の健康を維持するためには、以下の点に注意することが大切です。

定期的に検査を受け、特に40歳以上の人は、定期的に腹部超音波検査や血液検査を受けることで、膵臓の異常を早期発見することができます。

喫煙、飲酒、肥満などの生活習慣は、膵臓癌のリスクを高めることからして、習慣を改善することで膵臓の健康を守ることにつながります。

膵臓は、消化液を生成するため、バランスの良い食事を心がけることが大切で特に、脂肪分の多い食事や糖分の多い食事は控えましょう。

膵臓は、私たちの健康にとって非常に重要な臓器で暗黒の臓器と呼ばれているように、病気の発見や治療が難しい面もありますが、日頃から注意を払い、健康を維持するようにしましょう。



切手は1974年ドミニカ共和国発行の「糖尿病との戦い切手」で、切手右側に膵臓が描かれています。

 

 



 

切手は1989年ドミニカ共和国発行の「糖尿病学会切手」で、ドミニカ共和国の地図の中に糖尿病で侵される脳血管・心臓血管・腎臓・眼とともに膵臓が描かれています。

 



切手は1990年南アフリカトランスカイ自治区発行の「医師切手」の中の一枚で、ドイツの生理学者オスカー・ミンコフスキー(1858~1931)と共に膵臓が描かれています。

 

 



切手は2012年リトアニア発行の「オスカー・ミンコフスキー記念切手」で、彼の肖像とともに膵臓が描かれています。

 



※オスカー・ミンコフスキーは、糖尿病における膵臓の役割の発見した人物です※