ヤマアラシのジレンマとは、人間関係を構築する上で起こる心理的な現象を言います。
人間同士が互いに仲良くなろうと心の距離を近づけるほど、互いに傷付けあって一定距離以上は近付けない心理を指します。
ヤマアラシのジレンマは、ドイツの哲学者として知られるアルトゥール・ショーペンハウアー(1788~1860)が描いた寓話がもとになっています。
オーストリアの心理学者、精神科医のジークムント・フロイト(1856~1939)がこの寓話を使って人間関係の距離への葛藤を「ヤマアラシのジレンマ」と名付けました。
『ショーペンハウアー全集 14 哲学小品集(Ⅴ)』「第三一章 比喩、たとえ話、寓話」p306 に以下の記述あり
「第三九六節 やまあらしの一群が、冷たい冬のある日、おたがいの体温で凍えることをふせぐために、ぴったりくっつきあった。だが、まもなくおたがいに棘の痛いのが感じられて、また分かれた。温まる必要から、また寄りそうと、第二の禍がくりかえされるのだった。(略)」
上記文章をわかりやす行く解説しますと、
「ある冬の日、2匹のヤマアラシは嵐にあいました。2匹は寒いので、お互いの体を寄せ合って暖をとろうとしたところ、それぞれのトゲで相手の体を刺してしまいます。痛いので離れると、今度は寒さに耐えられなくなりました。2匹はまた近づき、痛いのでまた離れることを繰り返していくうちに、ついに、お互いに傷つけずにすみ、しかもほどほどに暖めあうことのできる距離を発見し、あとはその距離を保ち続けました。」
切手は1938年ダンツィヒ発行の「アルトゥール・ショーペンハウアー生誕150周年記念切手」で、晩年の彼が描かれています。
切手は1988年西ドイツ発行の「哲学者アルトゥール・ショーペンハウアー切手」で、晩年の彼が描かれています。
切手は1981年オーストリア発行の「ジークムント・フロイト生誕125周年記念切手」で、フロイトが描かれています。
切手は2000年パラオ発行の「20世紀の先見者たち切手」の中の一枚で、フロイトが描かれています。
切手は1997年メキシコ発行の「フロイト切手」で、フロイトが描かれています。
切手は2006年チェコ共和国発行の「フロイト切手」で、フロイトが描かれています。