ウコン(Curcuma longa:クルクマ・ロンガ)は、ショウガ科ウコン属の多年草で、英称ターメリック (turmeric)と呼ばれていて、インドが原産で紀元前からインドで栽培されていました。
熱帯から亜熱帯の高温多湿な地域に広く自生しており、世界中に約50種類存在するとされています
ウコンの地下茎(根茎)は香辛料として料理に使用されるほか、伝統医学にも利用されていて、古くからアジア一帯で生薬として重宝されてきました。
ウコンには、炎症抑制作用や抗菌作用などがあり、免疫力を向上させる効果もあるとされ胃液の分泌を活性化し、消化酵素の働きを促進することで、消化不良や胃腸の不快感の緩和に役立ちます。
ウコンには、アキウコン(Curcuma longa Linne)、ハルウコン、ムラサキウコン(ガジュツ)、ジャワウコンなどがあります。
秋ウコンは、クルクミンが豊富で、春ウコンの約10倍以上含まれています。
※般的にお酒の前によく飲まれているウコンは「秋ウコン」という種類になり、英語ではターメリックと呼ばれています※
ウコンは肝臓を元気にしてくれる肝機能があり、二日酔いになりにくくなるというイメージがあるかと思いますが、果たして本当に肝臓を元気にしてくれるものなのでしょうか?
ウコンには肝臓の機能を高めるクルクミンという成分が入って、この成分は二日酔いの原因になるアセトアルデヒドの血中濃度を抑えるという報告もあり、二日酔いになりにくい成分として、愛用している人がいると思われます。
しかし、脂肪肝のひとが続けて飲むことはよくありません。
日本における脂肪肝推定患者数は3000万人、日本人の3人から4人に1人が罹っているという国民病です。
脂肪肝の人はは、自覚症状がなくても肝臓にダメージを負っていると認識してウコンを避けるのが賢明でしょう。
肝臓が健康な人が、ドラッグストアなどで買えるウコンのドリンク剤をたまに飲む程度であればまず問題はありません。
ウコンを摂取する人は以下のことにご注意下さい。
1.高濃度ウコンを連続的に摂るのはやめる。
2.脂肪肝など肝臓に病気がある人は、避けたほうがよい。
3.単発で少量摂取はまず問題ありません。
※※ウコンによる急性肝炎から多臓器不全になり死亡した1例が報告されています※
2013年に報告された「健康食品・サプリメントによる健康被害の現状と患者背景の特徴」についての論文では、ウコンが肝臓疾患の健康被害と関連があることが報告されてます。
【参考文献】
小池麻由, 他: 健康食品・サプリメントによる健康被害の現状と患者背景の特徴, 医薬品情報学 14:134-143,2013
切手は1993年エチオピア発行の「スパイス切手」の中の一枚で、ウコン(ターメリック)が描かれています。
切手は1973年インド発行の「薬用植物切手」の中の一枚で、ウコン(ターメリック)の花が描かれています。