「野王~愛と欲望の果て~」DVD発売記念インタビュー②】 クォン・サンウが描く“愛”① | 1・2・3woo クォン・サンウ ラブリンス(Kwon Sang Woo Loverinth)


「野王~愛と欲望の果て~」DVD発売記念インタビュー②】 クォン・サンウが描く“愛”


「野王~愛と欲望の果て~」のハリュは一見、愛する人に裏切られ復讐(ふくしゅう)に燃える男だが、クォン・サンウは、そんなハリュの行動を“復讐”ではなく“愛”だと語る。それは演じるキャラクターの心情を深く理解し、徹底的に役に成り切る彼だからこそ言えることだ。クォン・サンウがこれまで出演したドラマの中でも特に印象に残っているという「野王~愛と欲望の果て~」について話を聞いた。

クォン・サンウ
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Q.作品を選ぶ基準は?

 僕は、「1年に1作品は必ず出演しよう」と思っています。もちろん俳優としては、視聴者の反応によってストーリーが変化していく韓国のドラマだけでなく、映画にも出演した方がいいのかもしれませんが、日本や中国のファンの方々にも見ていただけるドラマは無視することはできません。「野王」では、近所のお兄さんのような庶民的なハリュを演じましたが、彼が愛する人のために自分を犠牲にしていく姿がとても興味深く感じ作品を選びました。今後は、僕の今の年齢よりもっと年上の役を演じてみたいと思っています。

Q.「野王」は、最初はコミカルなシーンやアットホームな演出があり、その後シリアスな展開になっていきますが、そういった変化はいかがでしたか。

 「野王」は復讐劇だとよく周りからも言われるのですが、ハリュの立場で考えると、これは“復讐”ではなく、“愛”だったのだと思います。現実では、すごく嫌な人がいたら、もうその人に関わらなければいいと思います。でもハリュはそうはせずに、彼女を元の場所に戻そうとしていた。それは愛という感情があってこそだと思います。

Q.復讐という演技の中で、特別に気を付けていたことはありますか。

 演技の面では、僕が役の感情に没頭できるように、ダヘ役のスエさんが演技でサポートしてくれました。スエさんが素晴らしい悪女の演技を見せてくれたので、僕も復讐という演技に没頭することができましたし、視聴者の皆さまにもそういった感情や関係性を見ていただけたのではないかなと思います。今思うと、スエさんは本当に大変な役だったと思います。

Q.「本物のハリュ」と、「兄に成り済ますハリュ」の二役を演じましたが、いかがでしたか。

 一人二役という、役柄自体での負担はあまりなかったです。実際、撮影期間はとても慌ただしく、一人二役は多少大変だなと思ったりもしましたが。一番記憶に残っているのは刑務所の面会室で2人が再会するところです。そのシーンを監督がうまく撮影してくれたので、視聴者の方々にも感情移入をしてもらえたのではないかと思います。「シンデレラマン」(09年MBC)というドラマでも一人二役をやったことがあったので、CG処理の作業に時間がかかることや、また自分のヘアスタイルなども変えて撮影をしなければいけない大変さを分かっていたので、今回はその点で心の準備ができていたのではないかと思います。

Q.自分を犠牲にしてもダヘに尽くす前半のハリュと、ダヘに復讐するために近づく後半のハリュ(チャ弁護士)では、どのように差別化を図っていましたか。

 特に差別化するという意識はなかったです。僕は方向が違っていただけで、どちらも同じ感情だったと思っています。後半では復讐をしようとダヘを苦しめてはいましたが、ハリュはダヘを愛していたから、その心は楽ではなかったと思います。ハリュの最も中心にある感情は愛だったと思っています。娘のウンビョルを見ては、ダヘのことを思い出していましたし。

Q.ハリュの魅力とは?

 華やかではなく、どこにでもいるような庶民的な近所のお兄さんのような存在ですが、誰にもできない、彼にしかできないようなことができたということが彼の魅力だと思います。

Q.ハリュは、中盤まではダヘを献身的に愛して尽くしていましたが、そんな彼の行動をもどかしく感じたりしましたか。

 僕も恋に落ちると何もかもしてあげたいという気持ちになるので、彼の行動には十分共感できます。

Q.サンウさんのアイデアが採用されたシーンはありますか。

 僕は撮影前に監督に対して積極的な演技の提案はあまりしません。それは、監督という立場を無視することになってしまうと思っているんです。作品の世界観も監督の中で考えられているものだと思いますし、僕は監督に、こうしましょう、ああしましょう、と意見は言わないタイプです。まずは僕が自分の感情で演技をして、それが監督に受け入れられたらそのまま演じます。監督から指示があった場合は、少しトーンを落としたりして、描かれるべきハリュの演技をするようにしました。


                                            文・画像 韓流tvfan

②につづく・・・