コンサート日記518九州編(K.イシイ×廣津留すみれ×九響) | チャーリーの音楽の旅 ~ゴールド金賞~

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いつも九響関係のXはフォローしているわけですが、トンカツ師匠として有名なVc鈴木さんの影響か、リハの時のイシイさんの「カーーツ丼!」の例えで我々はザワついていましたうーん

 

ということで九響メシの揚げ物頻度はもともと高率なのですが、今回は当日前から「かつ丼」一本で確定ビックリマークちょうど贔屓の松のやで新発売の「超厚切りロースかつ丼」大盛りでがっつりエネルギーチャージグラサン

 

満腹になってアクロスへ走る人

 

 

 

 

 

2024年6月7日

アクロス福岡シンフォニーホール

九州交響楽団

第422回定期演奏会

ドイツロマン派への誘い

Cond:K.イシイ

Vn:廣都留すみれ

 

【第1部】

交響詩「レ・プレリュード」S.94/R.414
(F.リスト)

ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
(M.ブルッフ)
第1楽章 Vorspiel: Allegro moderato
第2楽章 Adagio
第3楽章 Finale: Allegro energico

【第2部】
交響曲 ニ短調FWV.48
(C.フランク)
第1楽章 Lento:Allegro non troppo
第2楽章 Allegretto
第3楽章 Finale:Allegro non troppo


前半配置(自席から)

プレトーク

 

1曲目はラマルティーヌの詩による「人生は死への前奏曲である。」に基づき、当初序曲として創られたものを後年に交響詩に改訂したもので、4部構成からなり第1主題(死への主題)と第2主題(愛の主題)および第3主題を軸に変奏されます

第1部人生の夜明けから始まりますが、やや暗い低音の弦部の立ち上がりからから木管との会話が続き、やがて金管も加わり素晴らしい雄大なTuttiが出現し高らかに歌い上げます

弦部の美音もさることながら、木管・金管とも堅牢さを増して九響の好調さを如実に感じましたニコこのレ・プにしろ今回は3曲ともに1stHrのソロがある曲ですが、まずこの第1曲目でベーカー首席が美しい愛の第2主題ソロを聴かせてくれました

この後すぐに第2部へ突入し嵐の場面へ~このあと穏やかな第3部で田園生活と癒やしの展開、柔らかい弦部と木管の会話が舞曲風に発展して最終部へ

最終部では第2主題・第3主題が行進曲となって勝利を高らかに歌うとRit.がかかり、我らがTbを中心とした第1主題が出現~華やかファンファーレが身震いするような壮大なクライマックスを形成して大終結笑い泣きぶらぼぉビックリマーク(と心の叫び)

 

NYが似合う虹

 

良くある例として高○さんはイェール大学卒業(音楽部)というようにカッコつきが多い中、ガチの入試でハーバードに入学、社会学・応用数学から音楽・グローバルヘルスを専攻し首席で学士卒業、NYの名門ジュリアード音楽院の大学院Vn専攻へ進学し修士卒業を最優秀賞受賞で飾るびっくり

などという履歴を見るとまず才女なんだろうなあ~とバクと思うわけですが、アメリカの大学は課外社会活動も含めたトータル評価なのでその行動量たるやすごいビックリマーク

今でも大学特任准教授・客演講師・音楽コンサルティング会社代表・大分市教育委員etc.
 

 

さて肝心な彼女の演奏ですが18年ぶりという(12歳で)九響との共演は、イメージとは違いかなりの力感もあり美音とテクは素晴らしく、オケともよく馴染む演奏でしたOK

 

第1楽章冒頭

ブルッフ協1はオケとソリストが会話していくタイプの曲でありほぼソロVnの独奏が展開され、オケの伴奏のなか堂々とVnを歌わせるのが美姿でカデンツァもグッ切々と奏でる第1楽章にいつしか引き込まれました

 

音色から推察するに使用楽器はストラディバリウスのような・・・はてなマークだれか教えて

 

第2楽章第1主題

アタッカで第2楽章へ入ると美しいメロが印象的なソロVnが引き続き楽章を支配、ややゆったりなアダージョで廣津留さんの演奏する第1主題とその展開であるパッセージの何という美しさ合格

 

ブルッフ協1の一番の聴かせどころの楽章をしっかり聴かせきって最終楽章へ

 

第3楽章冒頭

オケの先行伴奏のあとに登場する重音奏法による印象的な主題を颯爽と奏でる姿もかっこよく、特に個人的にも大好きな主題で、オケとこの主題のキャッチボールを行いながら進行しTuttiでロマン派らしい曲想が全開します

 

Tuttiに入ってからの第2主題を受けてのソロVnから再現部へ~第2主題再現部からは一気呵成で追い込みフィニッシュクラッカーブラヴァ~~~拍手

 

 

ソリストアンコールはアドリブ若鷹軍団あせる最後まで爽やかで可愛らしい廣津留さんでしたニコニコ

ちなみに先着50名限定のCD・本購入者のサイン会は開場後に即完売でした(今回はPASS)

 

ソリストカーテンコール

 

後半配置(Harp上手へ)

オルガンを演奏するフランク

 

循環形式と聞くとサンサン3「オルガン付き」を直ぐに思い浮かべますが、本日のリストのレ・プもこのフランクの交響曲も循環形式の代表的な楽曲という共通点があり、更に同じ動機を使用するなど19世紀後半には一般的手法として定着していきます

 

動機の展開という点だけを捉えればベト5も、運命の動機が全楽章を貫き統一感を交響曲に持たせている点は循環形式といえなくもないが、個人的には変奏曲的と・・・

 

どちらにしてもドイツ系ベルギー人としてリエージュで生を受け、また同時代のワーグナーなどの影響もあり、のちのフランス印象派とは一線を画す自身のオルガニストとしての経歴からくる重厚な作風はいかにもドイツ風かなあ

 

第1楽章運命の動機

さてさて第1楽章は低弦部により運命の動機(D-C#-F)が奏されて静かに始まります~弦部→Hr→木管群→Tuttiとなり、第1主題が斉奏されまた運命の動機へと戻りまた全編に渡り繰り返されます

 

第1楽章第1主題

 

テンポLentoに落としたり転調、HrやFlなどにソロで動機をリレーさせたりと、全体として個人的には地味な作品と思いつつ、フランクさんさすが大家だけあって仕掛けはいろいろ

 

第1楽章希望の動機

第1楽章再現部は動機が何重にも絡み合いカノン風に展開すると、歌心満載のTpソロで高鳴る斉奏のなか運命の動機が鳴らされると、やや静かに落ち着いたあとゆったりとト短調で動機を提示し最後はニ長調のロングトーンで解消し終結

 

 

 

第2楽章は緩徐楽章で弦部のピツィカートとHarpが静かな前奏を奏でると、第1楽章運命の動機に基づく主題がE.Hrで提示され弦部の伴奏に支えられる中、これにHrソロが美しく絡みつきます

 

E.Hr紗蘭さんとHrベーカーさんの演奏がなんと素敵なことかおやすみそして曲想が次第に盛り上がり蕩々と弦部のメロが流れ出します

 

第2楽章主題

スケルツォはVnのPPのトレモロで開始されますが、トリオ相当部分はマズルカの音型をClがとり、E.Hr主題や先般からの主題を転調したかたちで回想しながら、やがて両部が合体して終結部となりHarpのアルペジオで静かに終わりました

 

第2楽章スケルツォ主題

 

 

アタッカで始まる第3楽章は、第9になぞらえ「歓喜の動機」と呼ばれる素晴らしいメロを、Vc&Bsnが提示して堂々と始まります

 

この動機が強弱を繰り返しながら各パートがリレーし、ところどころではいるTpやCornの経過句がアクセントとして効いていますね

 

第3楽章第1主題

第3楽章経過主題

これまでの主題の数々がいろいろな手法で回帰されつつ、第1主題がやがて優勢となりTuttiで斉奏されると、金管陣も加わりより力強さを増していきます

 

それにしてもTuttiでのバランスの良さがよい響きとなり我々に音楽として訴えかけてくるのも、個人的見解としてはやはりベーカーさんの首席Hr就任で、Tb・Tubaと木管・弦部を繋ぐ中音部が安定していることが大きいと感じます

 

毎回の団員によるお見送りでベーカーさんがいると毎回大声で激賞するので、変なオヤジだ本人からちょっと引かれ気味なので気をつけようっと汗うさぎ

 

カーテンコール

 

 

やがて静かななかで中心動機が現れクレッシェンドで徐々に勢いを増していくと、再びTuttiとなってFFFで第3楽章第1主題をTp・Vnが力強く高らかに歌い上げ一度クライマックスを形成しましたドキドキ

 

そこから音量を落として弦部が引き取ると、これまでを回顧するように木管アンサンブルが同じく第1主題をゆっくりと柔らかく奏し、これに応えるようにVnが第1主題を美音で演奏

 

再度揺れ動くように各主題が各パートを行き来しつつやがて集結し、壮大な総奏で終結されました~フランクさんの循環形式の巧みさもさることながら、一歩間違えるとゴッタ煮状態になりかねない曲を明瞭にまとめ上げた金坊さんの手腕も見事でしたニコぶらぼぉ!!

 

最後まで全力熱演だった団員の皆さん、それから関係者一同様お疲れ様~ありがとうです拍手

 

終演

 

 

 

 

 

 

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