「たったひとつのダイスキ」 がアタシを痛くした過去がある。
大きな穴があいて、アタシは途方に暮れた。
ぽっかりあいた穴は、アタシを虚ろにさせた。
待っても待っても塞がりそうにない穴は、アタシを不安にさせた。
....あれ以来、アタシは。
「ダイスキ」 を分散させることで、ココロのバランスを保つヒトになった。
「ダイスキ」 を分散させていないと、耐えられないヒトになった。
「ダイスキ」 が偏り始めると、軌道修正をかけるヒトになった。
「ダイスキ」 が偏らないように、想いのベクトルを曲げるヒトになった。 ―― 以前よりも意識的に。
あっちにも、こっちにも、ダイスキ、がある。
あっちのダイスキ、も
こっちのダイスキ、も
どっちもダイスキ、なんだけど。
それはきっと間違ってる。
それはきっとニセモノなんだ。