三代猿之助四十八撰の内『通し狂言 菊宴月白浪』忠臣蔵後日譚 市川中車両宙乗り相勤め申し候」 | Blog ばったもんのめっけもん

自分のすぐ隣まで、中車さんが飛んできた
4F席(幕見予約)で、すぐ脇まであがってきた。これに近い光景

往復の宙乗りで、帰り道は途中で落下するのでほんとに怖い。
中車さんの主役抜擢、なんかもう、何の因果だよ・・って事情が苦しいけど、32年前に実父が演じたままに、急遽の代役を務め上げていた(先月も毎日主役で出てた傍らで、この3時間以上の舞台を0から練習してきたのか・・という。。息子の團子ちゃんは準備期間1日半で代役仕上げてきたし・・)


菊宴月白浪<忠臣蔵後日譚>  
御存じ『忠臣蔵』を、別視点・後日譚として描く、鶴屋南北による通し狂言
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【宙乗り】
宙乗りが「おなじみ」だった猿之助さんは”お手の物”って感じで宙乗りされるけど(勿論、慎重かつ身体能力駆使したうえでそう見せてる)、今回が初という中車さんを見て、却って「これは本当に凄いことなんだ・・」って思い知らされた。
大凧と中車さん、命綱と大凧&中車さん、を皆で括り付けて宙に送り出す。どの作業が欠けても何かが遅れても大事故になる。全員野球ならぬ全員宙づりだこれは。
中車さんすごい形相で上がってくるんだけど、芝居としても現実としても命がけで凧に乗ってるんだなと。くわえて、32年前に自分の父親がやっていたことを予期せぬ巡り合わせで同じ芝居をする感慨もきっとある。 歌舞伎界の外に生きてきた香川さんが46歳にしてその世界に入り、何十年も確執を続けた先代猿之助の「宙吊り」を演じるという。。いろんな事情・因果を置いておいて、この全員宙乗りに、幕見席まで満員の客席から拍手が凄まじかった。


一同で凧を上げる様そのものが、この舞台を象徴している

中車さんを支える、というよりもほんとに「総力戦」だという。それも現実の諸々を越えて、物語のなかでそれぞれの人物が調和したり引き立ったり。
「大凧以外にもいろいろありますから!」と笑いを誘っていたように、2幕め3幕めとも夏祭りが如き見せ場いろいろ。芝居部分も、『忠臣蔵』を傍らに考えると、それを違う立場で展開するとこうなるのかぁと面白い。


上階の御席ということもあって海外のかたも多かったけども、大凧や大屋根のシーンめちゃめちゃ興奮してた。日本ならではのスペクタクル感。『全員集合!』の生舞台ってこういう感じだったのかなぁという。役者も裏方も一丸になって、小さな芝居も大きな仕掛けも魅せていく。
 


【幕見席が予約できるようになった!】

・コロナで停止になってた4階当日券が再開!(一幕1500円前後)。もともとリピートする際とか重宝してたんだけど、このたび初めて予約制度が。前日から販売開始。有難い ※花道は1/3くらいしか見えないので注意。今回は往復宙乗りなので、最初から幕見狙ってた。間近に上ってくるし、真横からまた舞台に下っていくので。実際、宙乗り目当てなら大正解。