日曜日の伯母子岳では自身にとって珍しいものを見た。
「霜柱」だ。
自分が生まれ育った山梨は東京をはじめ他の太平洋側の地域と同じく冬はほとんど雪が降らない代わりに放射冷却で気温が低い。
そのため11月頃~2月頃にかけて日常的に霜柱を目にする機会が多い。
一方で北陸では霜柱を見ることは滅多にない。これは寒くなると雪が先に降ってしまうため霜柱ができる隙がないためだ。
この辺の事情についてはウェザーニュースの記事が面白かったので参考にしてほしい。
ざっとサマリーするとこんな感じだ。
- 東日本や北日本の地域を中心に霜柱が見られる。→寒いから
- 関西、中国地方は滅多に見られない。→気温が比較的高いから
- 北陸では滅多に見られない→霜柱より先に雪が降ってしまうから
- 九州南部では霜柱が見られる→火山灰の影響
いずれにしても霜柱は冬の季語になっているくらい冬の代名詞として親しまれてきた。
そんな中、4月の春の伯母子岳で発見した霜柱。
春に霜柱を見たのは初めてだと思う。
この日は朝は氷点下だったし、北西の風が強かったこともあって見事に北西向きの斜面に霜柱ができていた。
もしかしてこれってめっちゃレアなのでは?と思ったが、いやちょっと待てよ、平地では春に霜柱を見ることはないが、雪が降らない山では普通のことなのでは?事実関係は分からないが多分そう。自分が見ていないだけ。
例年4月は山スキーで雪山ばかり行っているので霜柱ができるような雪のない山に訪れる機会がなく気づけないのだ。
そういう意味でも今回の伯母子岳は価値があった。自分にとってレアな春の霜柱を見ることができたのだから。
ちなみに霜柱は危険な存在でもある。
どういうことか。落石を引き起こす原因になるのだ。
たかが霜柱だが岩の下にできれば岩を動かすほどの力を持っているらしい。
確かに、寒い日の日中気温が上がってくるとガラガラと音を立てて石が落ちてくることがある。
雪解けが起因している場合もあるだろうが霜柱に起因している落石もありそうだ。
山では春でも霜柱ができるという風に考えると、春山の谷筋は落石のリスクも高いということになる。
ちょっと自分にとって新しい視点だった。気をつけよう。
伯母子岳で見た霜柱。かなり立派に育っていた。
霜柱に岩が持ち上げられて落石を引き起こすこともあるらしい。注意しよう。