今若者の中では「タイパ」・・・タイムパフォーマンスが重視されている。
動画は短いものが好まれ、映画なども倍速で見る。なんならネタバレサイトであらかじめ予習してスキップしながら結論を確認する。
意味のない飲み会には参加しないといった行動もタイパの例のひとつだが、この考え方には自分も賛同できる。
仕事では訪問して対面でミーティングを行うのではなくZOOMなどでオンライン面談を行う、とか、集合研修の代わりにオンラインウェビナーを受講する、といったものもタイパの一例だ。
一生の時間は限られている中で確かにタイムパフォーマンスの考え方はとても大事だと思う。
エッセンシャル思考とか言われるが、無駄なことはどんどん断捨離して真に必要なことに対して時間を使う。自分もそう意識をしてきた。
だが、最近は本当にタイパの考え方だけでいいのか、という疑問が呈されている。
感動する映画やドラマはたくさんあるが、倍速で見たりスキップしながら見たら果たして感動できるのか。ネタバレしてたら面白いのか。感動できない映画鑑賞はそれこそ時間の浪費ではないのか。
若者はそもそも何のために映画を見るのか。
どうやら一説によると「感動を得たい」ということではなく「友人との話題に取り残されないようにしたい」といったモチベーションが働くらしい。
ちょっとわかる。自分たちの時代に置き換えると「毎週ジャンプ読まないと、ドラマ見ないと話題についていけない」ってやつだ。
自分たちの時代と圧倒的に違うのは情報量だ。
昔はテレビとラジオと週刊誌くらいしか情報源がなかったが今はネットの世界に無限大に情報が氾濫している。
これらの情報をいかに効率よく、早く、より多く入手するかというのが大命題になってしまい、ゆっくり流れる時間を楽しむとか感動を得るみたいな行為がおろそかになっている可能性がある。
山の世界はまさに後者だ。
丸一日かけて山の世界にどっぷりと浸かる。
写真や動画では決して得られない達成感や感動がそこにはある。
この時間を無駄だと感じるかどうかはひとそれぞれの価値観次第だが、ネットの情報に追われるように生きていくより山の世界観を肌で感じる人生の方がずっといいと思う。
自分の目で見て、自分の身体でリアルタイムに体験しないと決して味わうことができない世界がある。