今Twitterで旬な話題になっている四コマ漫画がある。
パッと見普通の四コマ漫画だが、そこに登場する主人公的なワニが100日後に亡くなってしまうという設定で、その事を本人たちは知らない。
漫画を読んでいる我々読者だけがそのことを知っている、というもの。発想が新しい。
日めくりカレンダー的な感じでワニの何気ない日常が描かれているのだが、ゆるい日常とちょっとした恋愛ストーリーを眺めていると段々と愛着がわいてくる。
先日3/20にとうとう連載100日目を迎え、ワニは亡くなってしまった。
世間ではいわゆる「ワニロス」が起きていて関連グッズが販売されたり書籍化、映画化なんかも予定されているようだ。
この漫画で我々に教えてくれているのは「毎日精いっぱい生きることの大切さ」だ。
100日後に死ぬことがわかっていたらこんな時間の使い方はしないだろうに…と思わせるような内容もちりばめられている。
特に個人的に好きな場面は65日目のストーリーだ。
好きなバイトの先輩に告白するかどうするか悩んでいる時に、友人からこんな言葉をかけられる。
「行かずに後悔」「行って後悔」どちらがいいの?
主人公のワニも「・・・後者かと」と認めている。
この考え方とセリフどこかで…と過去を思い起こすと2015年の白山初滑りの時に自分も同じようなことを言っていた。
「やらずに後悔するよりやって後悔した方がずっといい。」
この時は初冬のほとんど雪がない白山へ歩荷トレーニングのようにスキーを担いで登っていた。
雪がないので山に行かないのではなく「雪がなくてもダメ元で山に行った方がマシ」という感覚だったと思う。
もう一つ似たような話がある。
先日ようやく映画「フリーソロ」をAmazonPrimeVideoで鑑賞したのだが、その中でクライマーのアレックスオノルドが「人間どうせいつか死ぬんだからやりたいことをやった方がいい」とか「やりたいことをやらずに長く生きるだけの人生に意味があるのか」といったセリフを発している。
ヨセミテのエル・キャピタンという岩壁をフリーソロで登るという前人未到のチャレンジをドキュメンタリー映画として撮影したものだが、ミス=死という極限の生活を日々続けているクライマーの言葉としてとても重みを感じた。
自分もアレックスのチャレンジとは天と地ほどレベルは違うが、特に雪山を登っている最中に死を意識することはあるし生きていることを実感することもある。
完全燃焼の山行を経て無事下山することで「生」を意識しているという部分も正直ある。
人間長生きするに越したことはない。
けど、毎日をボケ~っと過ごして長生きするくらいなら充実した短い人生の方が幸せなのかもしれない。
そんなことをじっくり考えさせられる一週間だった。
地獄山行では「生」と「死」を意識することもある。