自分が白山に登っていた11月23日と同日、立山で滑落事故が発生した。
白山と同様、恐らく11月20日にそれなりに降雪があり、その後の高温で融けた雪が放射冷却で凍結し滑落しやすいコンディションを作っていたのだろう。
11月は雪が降ったり晴れたりを繰り返すし寒暖差も激しいので雪のコンディションが刻々と変化する。
一度降った雪が融けて朝の放射冷却で凍結すると滑落コンディションになるし、その上に雪が降れば今度は雪崩コンディションとなる。
白山も11月15日に行った時はほとんど凍結はなかったが、23日はかなりテカテカになっていて確かに滑落注意な感じではあった。
先行者さんは稜線のカチカチコンディションを避けてアイゼンで吹き溜まりまで高度を落としてから滑っていた。
リスク管理能力がしっかり備わっている方なのだろう。
11月23日の白山山頂部。一度融けた雪が凍ってカチカチになっていた。
5月の写真だが、滑落事故が起きたと思われる立山稜線の様子。白山以上に険しいので凍っていたら止まらないだろう。
11月の立山といえば毎年のように雪崩事故が起きているイメージがあるが、その中でも2013年の真砂岳の大規模雪崩は印象が強い。
あれも一度降った雪が融けて凍り、その上にドカ雪が積もって雪崩れたものだった。
一度に7名の登山者が亡くなった近年まれにみる大規模雪崩事故だった。
2013年の11月に立山で発生した大規模雪崩事故
11月の高山は下部は秋山なので油断しがちだが、上部は滑落と雪崩リスクが非常に高い状態になっているということを再認識する必要があると思う。